姉妹坂 vol.085 一華、右手を高らかに、そしてガッツポーズ。演奏終了。
そんな音楽室から遠い廊下を歩きながら、
「おやおや、音楽室、賑わってますね~~。ははは。」
右腕に書籍と書類などを抱えながら関敏也。
化学の教師でもあり、進路指導室担当でもある。
笑顔で、
「今や…器楽も…人気出てますか~~。」
そう言いながら向かう先が進路指導室とは別の方向…。
そして最後にドラムの菜穂子がランダムにドラムを打ち鳴らし、
一華、右手を高らかに、そしてガッツポーズ。
演奏終了。
部員たち、一斉に、
「イェ~~イ。」
澤木、
「なんと、なんと。」
西園寺、
「凄~~~い。見事だわ~~。うんうん。みんな~~。凄~~い。」
拍手拍手。
「もしかして…、これ…、定期演奏会で…???」
一華、
「えぇ~~、そのつもり…です。」
「ここまで…、出来るのね~~。」
そんな西園寺の声に一華、
「ここまで、出来るように…、なりました…。…って~~感じ…かな。ふふ。」
西園寺を見て、そして弓香と芽久、そして可南子を見て。
「個性を引き出すのが…教師の役目でも…ありますから…。」
そして、
「彼らが、一生懸命であれば、それぞれの思いは…、学問すら超えていくものだと…。考えますから…。」
西園寺、
「うん。」
腕組みをしながら、
「正に、その通りね~~。」
そして西園寺、弓香を見て、そして可南子を見て、
「それにしても、矢島さん…。」
可南子、そんな視線を感じて校長の方をチラリと。
西園寺、ニッコリと。
少し顔を赤らめて校長にお辞儀をする可南子。
「あっ、それから…、校長。望海先生。」
西園寺の肩を抱いて窓際に。
西園寺、
「…ん…???何…???」
開け放たれた窓の外に体を向けてふたり。
一華、
「実は……。」
弓香、
「は~い。次…行くよ~~。」
澤木、腕組みをしながら笑顔で、
「うんうん。」
今度は少しテンポが変っての…、
「Moonlight Serenade」
廊下にいる女子生徒たち、
「うんうん。良い、良い。」
顎を撫でながら、
「す~ばらしい~~。」
腕組みをしながら音楽室の廊下で我孫子宗雄美術教師。
189cmと言う長身。女子生徒の後ろで、
「おいおい、おまえたち、部活は…???」
そんな教師に女子生徒、
「もぅ~~。我孫子先生。私たち、新聞部~~。こういうの、アンテナピーンと張ってないと、学校の話題になんないでしょ。部長にはOK取ってます~~。」
その声に、
「おっとっと~~。こりゃすまん。」
「それに、教室の前にいる、あの子だって、放送部の部長だよ~~。」
その生徒の声を聞いての宗雄の背中を通り過ぎる小太りの女性教諭、
迫田聖、世界史担当。ボムヘアをサラリと右手で跳ねながら、
「くくく。せ~んせい…。新聞部と、放送部の生徒たち~~。し~~かり、覚えて下さいよ~~。この学校の発信の部でもありますから~~。くくくくく。」
紺色のセットアップ。160cmの丸い体を揺らしながら。
宗雄、
「まっ、まぁ~~。うん。なんだな…。」
そんな宗雄を見て目の前の女子、
「あっべ、ひっろし~~。」




