姉妹坂 vol.079 「当然、リーダーの女性だって、同じ事考えてるよ。」
「他にも…数名って…???」
訝しそうな顔をして史帆。
「どういう事…???」
「つまりは…妹の方の友達と…。うちら、3年。弓道部の数名がね~~。要は、妹の方が弓道部に入部してるんだ。それが切っ掛け~~。」
そして紗枝が史帆に、もう少し詳しく説明する。
「ほぅ、ほぅ、ほぅ。それで今日のお昼に音楽室で先生が見守る中での生演奏…聴いたってか…。」
今度は両膝を曲げて両腕を回し、体を後ろに倒す。
「あんた、航~~。それで帰ってから、ず~~っと、部屋の中で…ってか。な~るほどね~~。」
紗枝、
「わ~君。」
ベッドにゴロン、ゴロンとしながらも、今度は両手を放し、
起き上がって両膝を両手でペン。
「そっか。んじゃ、諦めな。…そんな…教師が反対してるもの、いつまでもウジウジしてたってしょうがない。」
仏頂面をしている航。
紗枝、
「わ~君。」
「…って言うか、バンドメンバーも…探してるんでしょ。キーボード出来る人~~。当然、リーダーの女性だって、同じ事考えてるよ。そんな、自分が今、こんな状態になってんだから、考えない訳、ないっしょ。」
航、ここで初めて、
「…んな事…、言ったってさ。」
「ばか。あんたがそんなに悩んでても、一番は、リーダーが考えてんだよ、これからバンド、どうするかって…。」
史帆の話を聞いている紗枝。
「もしかしたら、そのリーダー、既に自分の代わり、見つけちゃってるかも知れないし。」
続ける史帆。
「でも…、ひとつだけ…。」
紗枝。
「…ん…???」
史帆。
「先生…。個人的には、矢島さん、バンド入っても完璧にやって行ける。…って、言ってた。個人的には、応援するって…。でも、教育者としては反対って…。」
その話を聞いて史帆、
「へぇ~~~。」
そして天井を見ながら史帆、
「かかかかか。あんたらの音楽教師、なかなか、いい先生じゃん。」
その時、航、
「…うん。かっこいい。」
そしてニタリと笑って航。
その顔を見て史帆、
「ぷっ。」
航の背中をドンと叩いて。
航、
「痛~~って。」
「おま、航、その音楽の先生に…惚れたか…???かかかかか。」
その瞬間、
「…ん…???音楽の先生って、男…じゃ、ないよね…。」
その声に紗枝も航も、
「ぶっ!!!…んな訳、ないでしょ~~。」
そのふたりの声に…、いきなり意気消沈して史帆、
「…だ・よ・ね~~。かかかか。」
「わっ。私…、帰んなくっちゃ。」
いきなり紗枝。
「かかかかかか。ごめん、ごめん紗枝ちゃん、いきなり、付き合わせちゃった。スマン。」
顔の前で両手を合わせて史帆。
紗枝、
「ううん。」
そして…。
「でも…、ちょっと…、嬉しかった…。ふふ。」
そんな紗枝に、階段の途中で史帆、
「…ん…???何が…???」
「ふふ…、それは…また…、いずれ~~。お邪魔しました~~。」
ダイニングキッチンのドアの向こうに紗枝。




