姉妹坂 vol.077 紗枝、「史帆さん…、何を…???」
紗枝の肩を抱いたままで階段を上る史帆。
「ほいほい。」
充希、
「史帆~~。史帆~~。」
洋、
「あいつ…、なんか…言ってた…ような…???」
「紗枝…ちゃんが…どうの、こうの…???」
箸を置いて、そして椅子から立ち上がり廊下に…。
史帆、航の部屋のドアの前。
紗枝、
「史帆さん…、何を…???」
ドアをノックして、
「航~~。入るよ~~。」
ガチャリとドアを開けて。
航、ベッドの上でヘッドフォンを頭に。
そして、動画を見ながら…。全くふたりが部屋に入って来た事に気付かない。
ギターのストロークが弾んでいる室内。
紗枝、
「おっと~~。やってたか…。」
航の部屋だけが、防音になっている。
航が中2になった時点で父親の洋が、
航の部屋を防音タイプに業者に手配して施工したのだった。
やがて史帆、航の頭からヘッドフォンを外して。
いきなりでびっくりする航。
「…ん…???んんんんんん…????わっ!!!!」
紗枝、
「ニシッ。お邪魔してま~~す。」
航、
「紗枝!!!!」
そして史帆を見て、
「びっくりした~~~。」
キャビネットの上にある大きなお皿のご馳走を見て充希、
「う~~っわ。美味しそう~~。」
そして、
「…ん…???紗枝…ちゃん…???…どこ…???」
辺りを見回して、
「史帆~~。紗枝ちゃ~~ん…???」
首を傾げて、ドアを開けて、
「すんごい、ごちそう~~。ほ~っほっほっほっ。」
椅子をグルリと、
「はい。紗枝ちゃん。」
そして自分は航の隣に、ベッドに腰掛けて史帆。
そして脚を組んで、その上に右肘を。そして頬杖を付くように。
「おぃ。…で、どうすんだい、リーダーの代わり…???」
その史帆の声に紗枝、
「えっ…???史帆さん…???リーダーって…???」
その紗枝の声に航、
「紗枝っ!!!」
そんな航と紗枝の顔を交互に見て史帆、
「や~~っぱり~~。」
そして、
「何にせよ。あんたは口下手なんだから…。紗枝ちゃん、一体…どうなっとるかね…???」
目はまだ動画の方に航。
そんな航を見ながら紗枝、
「わ~君…。」
そして、
「し…ほ…さん…???」
史帆、にっこりとしながら、
「ふん。」
首をコクリと。
「実は……。わ~~君。最近転校してきた女子生徒。バンドに誘ってる。」
それを聞いた瞬間、史帆、いきなり、頬杖からビックリ仰天、
「え゛――――――――――っ!!!!」
紗枝、その史帆の声にびっくりして、体がポン。
「姉貴、うるっせ。声、でかっ!!!」
目を真ん丸くして史帆、
「いやいやいやいやいやいや。いやいや。…。うそ。…え゛―――――――――――っ!!!!」
「だから、うるっせ~~~っつの。」
「なになになになになに。ねねねねねねね。ねね。」
そして自分の口に右拳を。そして左手で航の右膝をペンペンペンペン。ぺペンと。
航、
「痛ぇよ。」
史帆、またもや、ぺペン。
「ねね。マジで!!!!…で、その子って、キーボード…???」
まだ口に右拳を当てながら…。紗枝の顔も見ながら…。笑顔で…。
紗枝、首をコクリと。




