姉妹坂 vol.075 ベッドに近づき、「ご・は・ん!!!」
「航~~。ご飯~~。」
航の部屋のドアをノックしながら史帆。全く反応がない。
テーブルでは洋と充希。
「な~にやってんだ、あいつ…???」
「変ね~~。」
首を傾げながら史帆、
「航~~、入るよ~~。」
そして部屋のドアを開けた途端、腕組みしながら、
「な~にやってるかね~~。」
ベッドに近づき、
「ご・は・ん!!!」
その瞬間、両腕をバタバタと、
「お~~~。」
いきなりベッドからむくっと起きて。
史帆、
「きったな~~~。」
航、
「へっ…???」
「よ・だ・れ~~。」
自分の左口角に指を当てて史帆。慌てて左手で口を拭う航。
「な~にスケベな夢…見てたんだか。」
まだボゥ~~っとしている航。
「お~~。いつの間にか、寝てた…か。」
航の顔に近づき、
「ご~は~ん~。」
「おっ、お~~~。」
テーブルに歩きながら史帆、
「寝てた~~。」
目を真ん丸にして。
洋、
「はぁ~~???」
充希、
「何…やってる…あの子…???」
史帆、
「ふん…???」
もくもくとご飯を食べる航。
洋、充希、史帆、
「……。」
充希、
「ねね、航…。何か…あった…???」
航、
「…ん…???んや…。」
洋、
「なな、航…???」
航、
「…ん…???んや…。」
そして、
「おかわり。」
史帆、ぶすっとしながら、
「あ…のね。」
航、御飯茶碗を受け取り、また、もくもくと、
「…ん…???…なんもねぇよ。…んめ~~。」
史帆、
「…ちょっとさ…。航…???」
「だ~から…。何もない。…大丈夫、大丈夫。」
洋、
「な…に…が…。だい…じょうぶ…???」
そんな父親の声に、
「あっ。…いや…。んん、別に…。うん。」
そして、お味噌汁を啜って、
「あっ、かあさん。明日、俺、練習。…遅くなるから…。」
充希、
「あぁ…。うん。」
洋、
「…で、どうなんだ、バンドの方は…???」
「…ん…???…うん。OK。いい感じでやってるよ。」
そんな航の声に洋、
「ふん。そっか…。うん。そっか。そか。うんうん。」
数回首を縦に。
そんな夫を見て充希、夫に唇を尖らせて、顔をチラリと横に。
そんな妻を見て洋、顔を顰めながら…。
「うぃ、ごちそう~さま。」
椅子から立ち上がる航。
「さ…て…と。」
テーブルから離れる航に史帆、
「キーボードの人…、怪我したんだって…???」
その声に航、すぐさま、
「えっ…???」
洋、充希、いきなり史帆の顔を…。
「大学の友達にさ、ライズのファンだって人が、いる訳よ。…その人が、教えてくれたんだけど…。」
航、
「姉…貴…。」
「キーボードの人、怪我して、キーボード、弾けない…とか…。」
洋、充希、
「史帆。」
「いや…、父さんと母さんが、今日、あんたが何も言わないでいきなり部屋に…って、聞いたから。…もしかして…って、思って…。」
その場に立ち尽くす航、
「姉…貴…。」




