姉妹坂 vol.073 部活終了後の職員室…。
電車のつり革に摑まりながら窓の外を見つめている栞奈。
駅に止まり、ぞろぞろと乗客が歩き出し、そして目の前の座席シートも数人分空く。
そのシートに納まりながら鞄を横に、そしてバッグからスマホを取り出し、
履歴を見て、指を…。けれども、すぐさま、
「おっと…。いけない、いけない。電車の中…。」
そして、溜息ひとつ。
「ふ~~ん。さて…。」
部活終了後の職員室、出雲と話ながら、
今度は夏妃とも話し、その後に話した相手、一華である。
まだ傍にいる透を気にして一華、職員室の隅のブースに。
「栞奈…、あなたには話しておかなきゃいけない。」
椅子に座りながら一華。
栞奈、
「うん…???どしたの…???」
「もう…生徒たち数人…知っているから…。栞奈のクラスの彩萌、委員長でしょ。」
「うんうん。」
「しかも、弓道部の数人も知っている。」
「何々…???」
「実は…。」
ブースから顔を少しだけ職員室に…。
「湯上先生は…。」
キョロキョロと職員室を見回して…。
「まだ…部活…か…。」
体を栞奈に戻して一華。
「今日のお昼休みに、こういう事…あったの…。」
栞奈、
「うん…???」
そして、一華の話しを聞きながら、
「えっ…???うそ…???そんな…???」
「海野君も今、学校もそうだけど、自分の好きなギターやバンドにも夢中なの。それでいて野球だって、もの凄い人気あるし、そして実力もある。」
栞奈、
「うんうん。」
「でも、私の知り合いのその横内璃子って子も、音楽に関しちゃ、凄いセンス持ってる。」
「ふ~~ん。…でも、今の時期にバンドにって…。私だって反対。そんな、とんでもない、これから受験で、それどころじゃ。」
「私もそれは彼らにしっかりと伝えた。…でも、若い子たちの…夢も…、応援したいって、私は、伝えた。」
「一華…。」
「でも…、現実的には…。」
「一番は…。矢島…可南子…。」
「うん。」
少し、間を置いて、
「…そっか~~。ふん。そういう事…あったか~~。」
「でも…。」
にんまりとして一華。
栞奈、そんな一華の顔を見て、
「…ん…???」
「私がこんな事…言うのも変だけどさ。あの子、矢島可南子。物凄いセンス持ってる。これは…間違いない。多分、私以上…。あの年齢で…あれだけ弾ける女子高生、珍しいよ。」
そんな一華の話しに栞奈、
「うそ。」
一華、またまたにんまりとさせて、
「ん~~。あの弓香に火を点けたんだから…。」
「えっ…???じゃ…、あの…情熱大陸…???」
「ん~~。とにかく最高。私の小さな夢も…叶った。かかかかか。」
「へぇ~~~。聞きたかった~~。」
「今度、音楽室、聞きにきな。機会あったら、こっそり教えるよ。」
栞奈、
「うんうん。うんうん。」




