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姉妹坂  作者: THMISmama
72/160

姉妹坂 vol.072 「なぁ~~。航…なんかあったか…???」

玄関前で可南子。お昼休みの一華から言われた言葉、

「矢島さんのお父さんやお母さんの事考えたら、確実に、無理。言語道断。」

そして、さっき弓香から言われた言葉。

「一華先生…。もしかしたら、可南子、ライズに入って欲しいのかも…。」

何回も頭の中で繰り返している。


困ったような顔をして両肩を落として、

「ふぅ…。」






玄関のドアをガチャリと。靴を脱いで、そのまま廊下を歩いて2階への階段を…航。


「ん~~…???もしかして…航…???」


リビングで休憩のコーヒーを飲んでいる海野洋うんのひらく。航の父親である。

独立開業しているシステムエンジニアであり、またプログラマーでもある。

数社との契約をしている。


「珍しいなぁ。何かあったか…???何も言わないで…???」

コーヒーカップをテーブルに、歩きながら2階への階段を見ながら。

そしてキッチンに、

「母さん、航…何かあったか…???」


料理を作りながらルンルン気分で体を揺らしながら。全く夫の声が聞こえていない。

テーブルの上でパソコンから聞こえるメロディ。そのパソコンの音量を低くして。


海野充希うんのみつき、突然体が止まって、

「あれ…???」

後ろを振り返って、

「もぅ~~。おとうさん。大好きな歌手なのに~~。」


洋、

「はいはい。」

そして、

「なぁ~~。航…なんかあったか…???…帰ってきて、何にも言わずに2階上がってったけど…。」


「えっ…???うそ。めずらしい~~。帰っていっつも冷蔵庫、そして何かしら、つまみ食いのあの子が…???」

「学校で、何か…あったか…???」


「いやいやいやいや。全く。全然…、何にも聞いてないし。…それに志帆からも、何にも…???」


そんな妻の話しに洋、口を尖らせて目をキョロキョロと、

「ふ~~ん。ふんふんふん。」

頭を掻いて腕組みをして、

「さぁ…???」


充希、返すように、

「さぁ…???」




2階の自分の部屋、バッグを机の上に、そしてそのままでベッドにドン。

ベッドに仰向けになったままで両手を頭の後ろに、

「璃子…さん…。矢島…可南子…。ふ~~ん。あんなに弾けるのに…。先生だって、結局…賛成じゃん。」

そして、今度は起き上がって両足を床のカーペットに。

「けどな~~。…確かに…。高3、大学受験。しかも…優等生。転校生…かぁ…。」

そして髪をバサバサに掻きながら、

「もぅ~~。勿体ない。」

そして、そのまま後ろ向きにまたベッドにバン。

「どう~すんだよ。」


航の頭の中に過る左近と和樹の顔。

「左近さんたち、誰か、見つけたかな~~。」



自室で数台のパソコンで作業をしている洋。

パソコンから流れるメロディに良い気分になって夕食の準備をしている充希。

「ふんふんふ~ん。」





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