姉妹坂 vol.066 「…もしかして…。矢島さん…、ライズに!!!」
「バンドの名前が、ライズ。英語でR、I、S、E。そして、バンドリーダーの女性が、横内璃子って言うの。今、大学の3年生。寛明大の生徒。…だよね~~、海野君。」
一華。
航、
「えぇ。」
「このリーダーの横内璃子って子が、何々、キーボード弾かせたらピカ一。しかも、作詞も作曲も熟すって子なの。」
史江、
「へぇ~~。」
彩萌、
「凄~~い。」
「でもね…。」
「あっ。」
鈴鹿と憲央。
「その後の話しなら、僕らも…。先生。」
一華、
「へっ…???えっ…???」
そして、航の顔をチラリと見て。
「な~~んだ、璃子が左腕、片麻痺だって…。事故に遭って…。」
一呼吸置いて、
「みんな…知ってるんだ、航~~???」
「…って…、先輩たちも…???」
佐智子に鈴鹿。そして航に敦司。
申し訳なさそうに…レミ、右手を静かに右肩まで…。
「ご…めん…なさい…。わ…た…し。」
一華、
「ほぅ、ほぅ、ほぅ…。」
腰を掛けていた机から外れて、
「えっ、えっ…???」
目をキョロキョロとさせながら一華、
「…って、事は…。ん…???どういう事…???矢島さん…の、ピ…ア…ノ…。そし…て…、璃子の…腕…???」
黙り込む生徒たち。
一華、航と可南子を見ながら…。
そして、
「!!!!…航。君…!!!…もしかして…。矢島さん…、ライズに!!!」
生徒たち、目をパッチリと。
「そっか~~。…でも、みんな、まだ矢島さんのピアノ…聞いた事がない…。まっ、この中で、聴いた事のある人は…、何人か…いるけど…。」
首を何度も頷かせての一華。
「…ふんふんふん。…そういう事か~~。な~るほど~~。」
彩萌、
「先生…???」
突然、航、
「お…俺。何とか矢島先輩に、お願いしたいんだ。璃子さんの代わりに…。」
またまた沈黙する生徒たち。
一華、
「わっほっ。」
園加、
「矢島~~。」
愛寿美、
「可南…子…。」
可羊子、
「お姉ぇ…。」
可南子、
「わ…た…し…。」
「航~~。」
突然一華、
「…私、個人的には…大っ賛成!!!」
航、
「えっ!!!」
生徒たち、
「えっ!!!先生!!!」
一華、
「うんうん。個人的には、大賛成。そして、私個人的にも応援する。」
航、いきなり笑顔になって、
「先生!!!」
可南子、かなり不安そうに…。
「そして、もし、私があなたたちの年齢だったら、完璧に、やっちゃおう~。だった。はず。」
彩萌、憲央、
「だった…。」
史江、
「はず…???」
「でも…、今は私…、教育者だから~~。」
一華、自分の胸の前で、両手で×。
その瞬間、生徒たち、同時に溜息。
「確かに。高校一年生で、これから始めるって、言うなら文句なし。…けれども、3年で、これから受験もあるのよ~~。しかも、矢島さん…、こっちに引越してきたばかり。そんな簡単じゃないって。」
航、口を噤んで。
それと同じように、可南子も…。




