姉妹坂 vol.064 「やるっきゃ~、ないか~~。彩萌さ~ん。」
中々弁当が喉に通らない可南子。
園加、愛寿美、
「矢島~~。」
「可南子~~。」
そして、食べ掛けの弁当に蓋をして、
「ふぅ。」
両肩を落として、
「やるっきゃ~、ないか~~。彩萌さ~ん。」
こちらもまだ食べ掛けのお弁当。お昼休み、まだ10分足らず。
彩萌、
「うん。はい、憲~~。」
憲央、
「早~~っや。まだ…食べて…。」
「矢島さんの気持ち、考えて…。」
園加、愛寿美、
「ちょっ。ちょっと…、矢島~~。」
「可~奈~子~~。」
急いで弁当を片付けて。
既に音楽室でピアノを弾いている一華。可南子の顔を見て、
「ヨッ!!!」
可南子、
「先…生…。」
「うん。…その内、海野君たちも…来ると思う。はい。バトンタッチ。」
「何、弾いてたんですか一華先生…。綺麗でカッコいい曲だった~~。」
彩萌。
一華、
「ん~~。へっへ~~。君たちにはちょっと難しいかな~~。ディブ・グルーシンと言う人の曲。…いわゆる…、フュージョンね~~。マウンテン、ダ~~ンス。ふふ。」
そして、
「はいはい。可南子ちゃん。ほれほれ。みんな、聞きたがってる。」
可南子の頭を撫でて、そして椅子に座らせて。
可南子、
「はい。…じゃあ…。」
ピアノから綺麗な高音のメロディが流れる。
一華、
「へぇ~~。リストかぁ~~。ははは。いいねぇ~~。」
彩萌、
「ラ・カンパネラ。へぇ~~。矢島さん…凄~~い。」
「彩萌、知ってんだ、この曲。」
憲央。
「かかかか。あんたが知らないだけ~~。」
「しっかし…、凄いな。」
園加、愛寿美、顔を見合わせて、
「ふふ。」
「おっとっと。やってる、やってる。」
紗枝。航と可羊子たちを連れて。
可羊子、
「お姉ぇ…。」
丁度可南子がラ・カンパネラの半分まで来たとき。
敦司、
「凄ぇ~~。」
机の端に腰掛けたままの、腕組みをしている一華、航を見て、
「ふふ…。」
そして、右手が鍵盤を、次に左手がいきなりメロディを奏でる。
一華、
「おっと~~、来たね~~。はは。うんうん。」
そして、小さな声で、
「可南子、万歳。」
小さく拍手。
彩萌、
「これは…、ショパン…。先生…???」
一華、
「うん。革命。」
航、
「凄ぇ…。…これ…高校生…弾くか…???」
一華、航を見て、ギターを弾く真似をして…。
そんな一華を見て航、にやけた笑いをしながら、顔を横に、左手を振りながら…。
一華、笑顔で首を傾げて。
そして3曲目。
ガラリと雰囲気を変えてのメロディ。
一華、
「おやおや。リチャード・クレーダーマンですか~~。」
彩萌、
「これ…は…、知らない。」
「はは。知ってる、知ってる。」
紗枝と茉優。
「ドランの微笑み~~。」
可羊子の両肩から腕を、可羊子を抱きながら…。
可羊子、
「わぁ。びっくりした~。」
「ふふ。」
史江である。
「お姉ちゃん、やるじゃん。」
可羊子、
「へへ。」




