姉妹坂 vol.006 1年B組。
片やこちらは可羊子のクラスとなる1年B組。
担当教師の湯上甫。
「じゃあ~。矢島さん…。あそこ。窓側寄りのあの席。お願い出来るかな。」
緊張しながらも可羊子。空いている席に落ち着き、一息、
「ふぅ。」
すると、頭の上に何かペンの気配。
「へっ…???」
ゆっくりと後ろを振り返ると…。
「か~よこ~~。ばぁ~~。」
女子生徒。
「えええええ…???」
目をパチクリの可羊子。
「な~に、目ぇ、パチクリしてんのよ~~。忘れた~この顔~~???はは…。」
可羊子、目をわずかに顔を天井に向けて、
「…ん…???」
そして、指を差して、
「あ~~~。サッチン。」
「ニッシッシ。思い出したか、カヨッチ。」
可羊子の小学時代の友達である神村佐智子。
「凄~い、ひっさしぶり~~。サッチン、この学校だったんだ~~。」
その可羊子の声に、
「うん。そしてほれ。」
佐智子の隣の席を向いて。そしてその女子生徒も可羊子に手を振る。
可羊子の頭の中に、小学生の頃の友達の顔がいきなり走馬灯のように、
「うそうそうそ。鈴じゃん、鈴じゃん。わぁ。ははは。」
佐智子と同様に、小学時代の仲良し、小暮鈴鹿。
「そしてもうひとり。ほら、カヨッチの左斜め。」
佐智子、小さな声で、
「レミ。レミ。」
名前を呼ばれて、可羊子の方に振り向いて、一度ツンとした顔で、
思わず、あっかんべぇ。そしてニッコリとして手を振る。
可羊子、
「レミだぁ~~。はははは。」
そして、
「このクラスで、良かった~~。ははは。」
「ふたり共、転校一日目。はて…、どんなだろ…???可燐~~。お茶入ったよ~~。」
庭で洗濯ものを干している可燐に母の可織。
その隣で植木の手入れをしている燐太郎、
「おぉ~。もう…10時か~。」
可燐、
「はいはいはい。これで良しっと。」
そんな中で、
「ヨッ。ハッ。ハッ。ヨッと。」
何故か石畳のアプローチを一歩ずつ跳ねながら…。
「はははは。来たか~~。留美ちゃ~ん、おはよ。丁度ナイスタイミングだな。」
「はいな~~。ねね、食べてみて、作ってみた~~。ベーグル~~。」
庭の方に軌道修正して。
燐太郎、
「お~~っほほほほぅ~~。こりゃまた美味そうだ。」
御菓子カゴから一個取って、
「どれどれ。」
一口。
「ん~~。はっはっはっ。こりゃいいわ。」
その光景を見ていた可織、
「な~にやってんのお父さん。手も洗わないで。」
「どれどれ~。」
洗濯かごを左肘に掛けて、エプロンで両手を拭って可燐、
「いっただき~。」
そしてコチラも一口、
「ん~~~。ほ~んと、うんま~~。」
留美子、にっこり、
「やった―――――――っ。良かった~~。」




