姉妹坂 vol.058 いきなり航の左腕を掴んで鈴鹿…。
いきなり航の左腕を掴んで鈴鹿、
「海野君。ちょっ。」
航の腕を引っ張って。
腕を引っ張られた航、
「えっ…???何…???こ…ぐ…。」
鈴鹿、
「いいから。ちょっ…。」
ぐいぐいと航の腕を引っ張って、
「サッチン!!!」
佐智子の顔を見て。
佐智子、呆気に取られて、
「えっ…???えぇぇぇぇ…???」
「何すんだよ、小暮…???」
ぶすっとしている鈴鹿。
「あ…。あ~~。」
佐智子、可羊子とレミの両方を見て、変顔、
「あ…。あはははははは…。」
可羊子、口を尖らせて顔を傾げて、
「…???」
レミ、
「なになになに、カヨッチ…???」
廊下に出て鈴鹿、いきなり航の腕を投げつけるように離して。
「何やってんのよ。もぅ。あんたねぇ。みんなのいる前で。カヨッチの事。何考えてんのよ???」
一呼吸置いて。
「まだ転校してきてあんまり経っていないのに。」
傍で聞いている佐智子、
「……。」
すると航、
「はあ…???いや…。…って言うか、クラスの女子に、何か話をして悪いのかよ。」
そんな航に、
「悪くはないけど。何、頼みって…???カヨッチのお姉さん…。それが何…???」
「…いや…。俺は…ただ、矢島の姉ちゃん、ピアノ…弾くって言うから…。どれくらいの腕なのか…。」
「もしかして…。何か…、訳あり…???海野…く…ん…???」
今度は佐智子。
そんな佐智子の声に航、
「ん~~~。」
少し窓の外を見て、今度は顔を下に。
鈴鹿、
「ふん。」
航、おもむろに顔を上げて、
「実…は…さ。」
何故かまだ可羊子とレミの傍にいる敦司。
「な~に、やってるかな~~。航~~。」
そんな敦司の顔を見て可羊子、
「くく。」
レミ、廊下の3人を見ながら腕組みをして、
「一体、何…???」
鈴鹿、佐智子、
「えっ…???…マジで…???」
航、
「うん。マジで。まっ、そりゃ、無理かも…しんねぇけど。まっ、一応、ダメ元で…。」
佐智子、いきなり、
「無理でしょう~~。有り得ないでしょう~~。…いや…、私はカヨッチのお姉さんじゃないから…分かんないけど…。幾らなんでも…。」
鈴鹿、
「そんな…事…。考えて…、たんだ。海野君。」
その鈴鹿の声に航、
「うん。」
午後の授業まであと10分。
「しゃあない。カヨッチ~~。可羊子~~」
廊下から鈴鹿、可羊子を手招き。
可羊子、そしてレミ、
「えっ…???えぇぇぇぇぇ…???」
そして廊下に。
その後に続く様に敦司。
「カヨッチ~~。」
鈴鹿。
可羊子、
「ん…???」
佐智子、
「実はさ~~。…いや…、これは鈴鹿の方から…。」
鈴鹿、
「海野君、さっきも言った通り、カヨッチのお姉さんのピアノ…聞いてみたいんだって…。」
可羊子、
「ふん。それは良いけど…。お姉ぇにも…聞いて…みないと…。」
間髪入れずに航、
「なんとか…お願いしたいんだ。ダメ…かな…。」
口を尖らせてまた顔を傾げて可羊子、
「……???」




