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姉妹坂  作者: THMISmama
55/249

姉妹坂 vol.055 「憲~~~。朝ご飯早く~~。」

「憲~~~。朝ご飯早く~~。私も仕事あるんだから~~。」

キッチンで憲央の姉の(あおい)


その姉の声に階段をドタドタと降りてくる憲央。


「あれ…???かあさんは…???」

「今日は朝早くから契約農家さん、内藤さんトコ。お手伝い~~。」


その声に憲央、

「ふ~~ん。」


「あきちゃんは、研修で横浜。もう出ちゃったよ。」


ここで言う、「あきちゃん」とは、長女の亜葵蘭(あきら)の事である。


憲央、再び、

「ふ~~ん。」


「早く、さっさと食べる~~。」


「お店…、繁盛してんの…???」

憲央、いきなり葵に…。


「ふん。結構ね~~。だって、オーガニックだもん。それに、繁盛してもらわなきゃ困る~~。お店の広告、ウチが出してんだから~~。」



定岡葵(さだおかあおい)、憲央の姉、

都内の広告代理店「キャラバン」の社員2年生である。


憲央の両親は、都内でオーガニック系の洋食店「葵沙(あいさ)」を経営している。

父親の正憲(まさのり)そして母親の葵沙(あいさ)

共同経営者ではあるが、母親が店長である。



「あっ。ねね、憲…、あんた…彼女出来た…???」


その葵の声にいきなり憲央、

「ぶっ!!!」


葵、

「きったな~~。」


「何言いだすんだよ~~。…ったく~~。人が物食べてんのに~~。」

目の前に口から飛び出たものを布巾で拭いながら…。


「ふん。この前、あきちゃんからメール来てたのよ。弟君に彼女出来てるよ~~って。……。まっ、写真はなかったけどね~~。」


その声に憲央、

「あっちゃ~~。この間の…日曜の…。」


「…で、お店に行ったんだって~~???」


そんな姉の声に憲央、

「あっ。いや…。言っとくけど。それって、同じ弓道部の部長からの電話だから。勘違い、すんな。」


葵、

「ほぅほぅ~。…で、それで…???」


「…いや…。それでって…。何…にも…。…それだけ…だけど…。」


「はい…???」

そして、

「ふ~~ん。弓道部の部長さんか~~。」

椅子の背もたれから今度は腕組みをして葵。


「何よ、その…ふ~~んって…。高1の頃からずっとの女子だよ。…んな…。単に、弓道の部員…だっつぅの。」

「ほっほぅ~~。ようやく、あんたにも女から電話くるようになったってか…。かかかかか。」


「いや。仕方ねぇじゃん。部活の事で、連絡だってあるしよ。」

「ふ~~ん。そっか。そっか。」


「姉ちゃんこそ。この前の電話、彼氏じゃねぇのぉ~~。いきなりかあさんの傍から離れて2階上がってったけど…。」


その憲央の声に葵、軽く流すように、

「お蔭様~で。仲良く、お付き合い…させて戴いておりま~~す。」

そしてにっこりと。


憲央、その姉の声に、

「うそ。マジで…???」


「あったりまえじゃないの。あきちゃんにだって、彼氏いんのに。」


憲央、

「えっ。マジで…!!!!」


「だから~~。あんたも!!!…っつぅてんの~~。」





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