姉妹坂 vol.053 「やっぱり、カッコいい人には、綺麗なお姉さん…。」
「…で、どんな曲…???」
燐太郎。
「テレビでも流れてる番組のテーマ曲。」
可南子。
「情熱大陸だって。」
可羊子。
可燐、
「うそっ。あの…葉加瀬太郎の…???バイオリン、凄い曲じゃん。」
可織、燐太郎、
「知ってる、知ってる。」
燐太郎、
「…ん…???…って言うか、みんなはそれ…練習してて…。可南子…おま…。」
「ん~~。練習してて…って言うか、みんな…それぞれ、好き勝手にアレンジしてたから。」
可南子。
可織、
「いや…。でも、あんたは初めて…。」
「うん。今日、弓香さんから譜面渡されて、出来る…???…って…。だから、やった。」
可南子。
燐太郎、
「…だから…、やった…。…って、おまえ…。」
「もう~。器楽部の廊下…生徒だらけで凄かったって。」
可羊子。
「もう~みんな、ノリノリだったもんね~~。かかかか。気~持ち良かった~~。久し振りにあんな演奏したね~~。」
可南子。
「うん。倉敷じゃ、泰子姉ちゃんとも一緒にやってたけどね。海外行っちゃって、全然やってなかったもんね。」
可羊子。
「うん。」
そして、
「…で、カヨ、そっちは…。弓道は…、どんな感じ。インターハイ…目指して…???」
「うん。頑張ってる。さすがにあのふたりは凄い。」
空を見ながら可羊子。
「あのふたりって、彩萌さんと憲央くん…???」
「当~~然。」
「あんたが凄いっていう事は…。かなり…凄いんだね。」
燐太郎、
「へぇ~~。その彩萌さんと憲央くん…???…と言うか、可羊子も…凄いんだろ…???」
今度は可南子が、
「当~~然。中学3年間の時間は…この子を強くした。」
可羊子を見ながら、
「かかかかか。」
「や~~だ、もぅ~~。お姉ぇ。」
「彩萌さんにも、憲央くんにも、可羊子の事、お願いって、言ってあるから。」
「お蔭様で、可愛がってもらっております。」
可南子にぺこりとお辞儀をして。
「それにしても、憲央君のお姉さん、綺麗だよね~~。」
可南子。
「うんうん。だから、さっきも史さんや紗枝さん、茉優さんにお姉さんの画像…見せてた。」
「はは。そっか~~。」
「だんだん、話しに着いて行けなく…なってきたか…。」
小さな声で燐太郎。
「やっぱり、カッコいい人には、綺麗なお姉さん…。いるんだねぇ~~。」
またまた空を見るように可羊子。
可南子、今の可羊子の声に、
「へっ…???」
可燐も…、
「…ん…???」
可織、
「おやっ。」
可南子、
「カヨ…???カヨ…???」
可羊子の目の前に左手の平を…ひらひらと。
それに気付かず、と思ったら、いきなり目をパチクリと可羊子、
「何々何々!!!!何々???」
目をパチクリとさせて可南子、
「いやいやいやいや。何々って、カヨ、今、あんた…、何言って…。」
「へっ…???私…今、何か言った…???」
可南子、
「えっ…???」
可燐、可織、顔を見合わせて、
「……。」




