姉妹坂 vol.051 「超美人のお姉さんふたりもいる男子ですから~~。」
そんな航の声に敦司、
「へっ…???なんか…女子に言う事…あったのか~~???」
そんな敦司の顔を見て、
「いん~~や。何でも。…ふぅ。」
女子の後姿を見ながら、
「…って、言うか、敦司~~。なんだよ、おまえのあの喋り~~。」
「えっ…???…なんか…変だった…???…どこが、どこが…???」
「いやいやいやいや。いい、いい。なんでもねぇ。」
「どこが、どこが。教えろよ。」
「いいって、いいって。うんうん。マジ。」
「教えろよ~~。俺、初めてだったんだ。年上の女子から声掛けられたの…。」
航、その敦司の声に、
「あ。あ~~~。そっか~。いや。うんうん。分かった分かった。もう言わねぇ。」
「それにしても、カヨッチは可愛いよね~~。」
こちらも学校帰りで、まだグラウンドの手前、彩萌。
「かかか。うんうん。私もこれから、そう呼ぼうか…カヨッチ~~。」
レミと可羊子を後ろを振り向いて史江。
可羊子、
「へへへへへ。」
レミ、
「くくく。」
「な~に言ってんだよ。同じ歳なら良いだろうけど、可羊子ちゃんに俺たちからカヨッチって、言ったら、変だろ。」
さりげなく憲央。
「おぅおぅおぅ。言うね~~。憲~~。」
「まね~~。超美人のお姉さんふたりもいる男子ですから~~。憲~~。」
その彩萌の声に、史江、紗枝に茉優、そしてレミ。
憲央の隣の信一が、
「うそ!!!!」
憲央、
「彩萌~~~。」
彩萌、口を真一文字に、瞳だけを空に向けながら、
鞄を腰に、ゆっくりと歩きながら、
「ねぇ~~。憲~~。」
そして、小さな声で、
「シッシッシッ。この前のお返し~~。」
「うそうそうそ。どんなお姉さん。ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ。憲~~???」
史江、紗枝、茉優が信一と憲央の間に割って詰め寄る。
のけ反る信一、
「うわっ。…とととと。」
「ん~~???…と…いう事…。カヨッチ、あんた…定岡先輩にお姉さんいたのって知ってた…???」
レミ。
「あ…。ははははは。何とも…奇遇な事が…あってね~~。はははは。」
「そっ。ねぇ~~。カヨッチ~~。」
彩萌。
レミ、
「ふ~~ん。…何がどうなってんだか…。」
首を傾げるレミ。
「わ~っかっ。わ~かった。これ。これこれ。」
そう言いながらスマホで、画像を女子の前で披露する憲央。
史江、
「わわわわわわわ。」
紗枝、茉優、
「綺麗~~~。」
憲央、顔に手をやり、
「あぁ~~~。」
可羊子、小さな声で、
「あれ…???でも…、誰なのかな…彩萌さんの好きな人って…。」
前で笑いながら歩く、6人を見ながら可羊子。
可羊子、玄関を開けて、
「あっ、お姉ぇ、先に帰ってたか。」
靴を脱いで、リビングに、
「お姉ぇ~~。」
「はい、お帰り~可羊子~~。」
可織。
「おばあちゃん、おじいちゃん。お姉ぇ、すげぇ事した。」
可織、燐太郎、
「は…あ…???」、