姉妹坂 vol.050 「言え…、ねぇよな~~。」
可南子、
「へぇ~~。」
摩耶、
「バンドの方…どう…???」
可南子、
「へっ…???バンド…???」
弓香、
「うん。海野航。彼、学校では野球だけど、それ以外はギター。かなり上手って、聞いてる。ねぇ、摩耶。」
摩耶、
「うん。」
その時、いきなり航、
「あの~~。」
その航の声に、女子、一斉に、
「…ん…???」
そして航の顔に集中する。
弓香、
「…何…???」
その弓香の顔を見て敦司、再び赤面。
航、
「あっ。あ…。あ~~。いや…。あの…。」
一瞬、自分の顔に浮かんだ顔…、けれどもすぐに消えて。
「あっ。いや…。え~~っと…。」
頭を掻いて、
「うん。いや。…なんでも…。」
女子たち、頭を傾げて、
「……???…ふふ。」
その時、何故かしらあまりにも自然に、
「海野君。妹の可羊子。よろしくお願いします。同じクラスみたいだから…。」
いきなり可南子の顔に集中する女子、そして敦司と航。
航と敦司、初めて聞く転校生の声。
芽久、
「矢島…さん…。」
弓香、
「へぇ~~。妹さん…。そうなんだ。」
可南子、弓香を見て、
「はい。」
菜穂子、摩耶、
「きっと可愛い妹さんでしょう~~。」
可南子、
「そ~んな事…ないけど…。…でも…、あるかな…???」
弓香、
「ははははは。いい、いい。うん。海野く~ん。」
「あっ。あ~~。あ…。はい。」
いきなり返事をする敦司。
「うん。ありがと。もしかして…、君も海野君と同じクラス…???」
敦司の顔を見て弓香。
そんな弓香に敦司、
「あ。あああああ。あ、はい。わた…わたると…はい。一緒です。はい。海野君と同じクラスです。はい。」
「そっ。じゃあ~~。矢島さんの妹さん。お願い。ね。」
にっこりとしながら弓香。
「あ~。はい。分かりました。大丈夫です。心配ありません。頑張ります。」
その敦司の声に再び女子、
「くくくく。」
弓香、
「うん。お願い。」
そして弓香、
「行こ。帰ろ。」
今度は歩幅を大きく取って歩きはじめる弓香。
それに合わせて歩き出す可南子と芽久。
そして菜穂子と摩耶、
「ねね、弓香~~。もしかして…、弓香って、海野君…???」
そんな摩耶に弓香、
「へっ…???やだ。まっさか~~。」
可南子、
「……。」
「でも…さ。あのもうひとりの男子、ひょっとして、弓香…好きなのか…???」
いきなり菜穂子。
「ぷふ~~。それそれ。それ、言える~~。きゃはははは。」
摩耶。
弓香、その摩耶の声に、
「えっ…???勘弁して…。余計…困る。ぶるるるるる。」
可南子、
「ぷっ。」
芽久、遠くを見るような顔で…。
「あれ…???でも…海野君…、何…言い掛けたのかな…???」
弓香。
そんな弓香に、可南子、菜穂子、摩耶、首を振りながら、
「さぁ…。」
前を歩く女子を見ながら、航。
「言え…、ねぇよな~~。」




