姉妹坂 vol.047 誰もいない職員室。
職員室に入ってきた栞奈。誰もいない職員室。
「あれ…???」
職員室の隅のブースでなにやら人の姿。
そこから出てくるコーヒーカップを持ちながらの甫。
「湯上先生…、何か…???」
「あ~~、栞奈先生…。」
そしてブースの方に手を差し伸べて、「どうぞ。」のゼスチャー。
栞奈、
「は…あ…???」
ブースの中を覗くと、ソファと椅子に座っている教師陣。
夏妃、いきなり栞奈に抱きついて、
「きゃは。栞奈~~。」
栞奈、
「えっ…???えぇぇぇぇぇ…???」
一華、栞奈に向かって、座りながら敬礼。
栞奈、
「はい…???」
出雲、栞奈に向かって、拍手。
栞奈、
「出雲…先生…。あの…???」
「いやはや…、私も…聞きたかったですなぁ~~。かかか。」
要次。
「でも…、まぁ~。私らや弓道の道場までは…、届きませんでしたが…。」
栞奈、
「いや…。何を…???」
「栞奈先生。そして一華先生。よろしく、お願いしますよ~~。」
澤木。
栞奈、
「…。いや…。だから…。」
「何やら、素敵な事が起きたようです。」
栞奈の背中から甫。
「はい…???」
そんなブースに他の教師たちも…。
「なにやら、まだ余韻残っているようですな~。昇降口では専らの噂になってますよ。」
「ねぇ~。ふふふ。栞奈先生。羨ましい。」
いい加減に栞奈、項垂れるように、
「…だ・か・ら…。」
「頼みましたよ~~。竹脇先生~~。いや…、栞奈~~。」
栞奈の両肩を揉みながら西園寺。
「校長先生…。」
「校長。」
そう言いながら自分の座っているソファを立ち上がり、西園寺に椅子を進める澤木。
「栞奈のクラスにさ、矢島さん。矢島可南子さん。」
西園寺。
その名前で一華、にっこりと。
栞奈、
「矢島…さんが…何か…???」
「器楽部…入ったようね…。」
「えぇ…。」
「そのお蔭で、器楽部、さっき、音楽室で、情熱大陸、演奏したんですって。」
「情熱…大陸って…、あの…、テレビでの…。確か…葉加瀬…太郎の…???」
「うん。」
「物凄い迫力のある演奏だったって。矢島さんのピアノ。凄かったって。」
「えっ…???えぇぇぇぇぇぇ…???」
「矢島可南子。彼女のお蔭で、弓香に火が付いた。」
一華。
「しかも、あの芽久も、もの凄い演奏力。私、初めて見たわ、あんな芽久のサックス。」
一呼吸置いて。
「まぁ…、芽久の場合は絶対音感持っているから。」
「ぶっ。うそ――――――っ!!!絶対音感!!!」
物理教師の井川透。
「えっ、知らなかったんですか、井川先生。ねぇ…、夏妃先生。」
一華。
「えぇ。結構、有名ですけど…。」
「そんな彼女たちが、素晴らしい演奏をした。嬉しい限りね~~。栞奈。矢島さん、頼むよ。一華先生もね~~。」
ここで言う西園寺と栞奈の間柄は…、
栞奈が学生時代の西園寺が恩師となっている。




