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姉妹坂  作者: THMISmama
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姉妹坂 vol.044 「ピアノの上手い3年の女子、入ったんだって~。」

可南子、

「…ん…???何…???」


可羊子、

「…今の…。パーカーを着た…人…???」

後ろを振り向いて。


可南子も振り向いて、

「あの…パーカー…着た人…???」


走って行く若者の背中を見て可羊子、

「うちのクラスの…。海野…君…???」


可南子、

「ふ~~ん。まだ…見た事…ないけど…。」

そして、

「ジョギングか~~。」



既に遠くの方で走りながら航、

「……。」






「な~~んか…、あったか…彩萌…???」

部活で史江。首を傾げながら…。

「全く憲と口…利かないけど…???」


そして憲央に近づいて、

「ねね、憲…、彩萌と…、何かあった…???」


そんな史に憲央。こちらも首を傾げて、

「さぁ…???」




そんな3年を見て可羊子、笑いを堪えるように。


そして憲央の前を通り過ぎながら彩萌、ツ~~ンと。


それを見て可羊子、口を崩したように、

「い~~~。マジで…。あらららら。」


レミ、

「ん~~。どしたの…カヨッチ~???」


そんなレミに可羊子、首を小さく振りながら、

「んんんん。なんでも…。うん。」

そして可羊子、小さな声で、

「こわ~~~。」





グラウンドでランニングをしながらの野球部。聞こえてくるピアノの音。


「さすがに一華先生、いい曲弾いてるよな~~。これってロックかぁ~~。なぁ~航~。」

敦司。


「ん~~。違う。これ…ジャズだ。」

航。


「へぇ~~。」


「そういや。今度、器楽部に、もの凄いピアノの上手い3年の女子、入ったんだって~。」

別の部員。走りながら。

「ほら、転校してきた女子。」


その声を聞いて航、

「えっ!!!」


「それこそ、航、敦司、おまえたちのクラスの転校生。そのお姉さんだって話だぜ。」


その声に敦司、航、顔を見合わせて、

「マジ。矢島…???」


敦司、

「あいつの姉ちゃん、ピアノ…弾くんだ~~。へぇ~~。」


一瞬、航の頭の中に浮かんだ璃子の顔、

「璃子…さん。」

そして、

「俺のクラスの…器楽部って~言うと…。」




邦展の構えたミット目掛けて航。

「バシン。」

その度にバックネット裏からは、

「キャ~~~。」


「いやはや…。相変わらずの…黄色い声で…。」

邦展。そして立ち上がり、後ろを振り向いてバックネット裏に手を振る。

けれども、

「シ~~~ン。」


その途端、ベンチから笑いの声。

「おぃおぃおぃ。邦~~。そいつはねぇよな~~。かかか。腹痛ぇ~~。」

3年の部員たち。


その声に邦展、

「うるせぇやい。…ったく~~。あいつら、部活ねぇのかよ。いっつも、いっつも。」


邦展からの送球を受けて航。今度は右手をクイっと。

バックネット裏では女子が一斉にスマホをかざして…。





「へぇ~~。そぉ~~。ふたりとも…、部活、納まりましたか。」

窓の外、グラウンドを見ながら校長の西園寺。


「えぇ。中々ふたりとも、インパクト…ありそうですな~。」

そんな西園寺の背中を見ながら教頭の澤木。





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