姉妹坂 vol.035 「だめだめだめ。うそうそうそ。美味しいからやめて。」
可南子16歳、そして泰子22歳。
共にピアノでセッションが出来る程に可南子のピアノ演奏は上達していた。
そして、その時点で泰子は目標を海外へと向けた。
「…って~~事は…、楽譜を見ればある程度の曲、弾いちまえる…って~~事か。」
おかずを食べながら燐太郎。
「まっ。そういう事~~。でも、殆ど…。大丈夫なんじゃない。」
可羊子。
こちらもおかずを食べながら…。
「おばあちゃん、これ美味しい。これ、おばあちゃん作ったんでしょ。お母さん、こういうの、作った事ないから。かかかか。」
その声に可燐、
「悪ぅございましたね~~。」
「かかかか。残~~念、可羊子~~。それ、実は、お母さんお手製~~。」
ニッコリ可織。
「うそ。」
可羊子、可南子。
可燐、
「いや。…うそって…。失礼ね~~。いいよ。お母さんが作ったのは食べたくないんでしょ。だったら、あげない。」
と、そのオカズの入ったお皿を持ち上げようとする。
「いやいやいやいや。だめだめだめ。うそうそうそ。美味しいからやめて。」
いきなり可羊子。
「今まで、こういうの…作った事なんて…ない。」
可南子。
「へぇ~~。びっくり~~。」
「ってね~~。実はおかあさんも初めてなんだよ。これ作ったの。教えてくれたのが~~。」
隣の方に指差して。
「留美ちゃんが教えてくれたんだって~~。」
可憐。
可南子、可羊子、
「へぇ~~。留美子おばちゃん。や~る~~。」
子供たちの洗濯物を畳みながら、
「…っくしゅん。う~~。…なんだ…。誰か噂してる…???」
留美子。
「誰だ~~、今、クシャミしたの…???ママ…???大丈夫かぁ~~。」
聰。そう言いながら留美子のオデコに自分のオデコを当てて。
「熱は…、ないよな~~。」
「ふん。誰だ~~。噂してんの~~。」
「はは。いい噂だろ、多分…。」
「へぇ~~。器楽部の顧問なんだ~。寿美一華先生。うんうん、そう。美人教師四天王のひとり。だって。確かに綺麗な先生だよね~~。」
自分のベッドの上で参考書とノートに向かいながら可羊子。
「…って、言うか、あんたも相変わらず、そのスタイル…直さないの~~。」
可羊子の方に振り向いて可南子。
「いいじゃん、いいじゃん、どんなスタイルでも、楽なんだから。」
可羊子のいつもの勉強スタイルが、ベッドの上の腹這いスタイル。
「まっ、それでも成績は良いんだから、どういう頭、してんだか。」
「へっへ~~。お姉ぇには、負けますけどね~~。」
少し間を置いて、
「でも、さすがにあの…竹脇先生…。凄いよね。綺麗も綺麗だけど、カッコいいよ。」
「栞奈先生…???」
「うん。」




