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姉妹坂  作者: THMISmama
31/35

姉妹坂 vol.031 「どお、矢島さん。」声を掛ける彩萌。

「凄い、背ぇ高~~い。」

可羊子。


「うん。定岡先輩、180cmはあるもんね~~。」

レミ。


「ひゃ~~~。」



3年が終了して、次に2年の射込み練習。黙って見学している可羊子。

そんな可羊子に、

「どお、矢島さん。」

声を掛ける彩萌。


そんな彩萌を見ながらの憲央。


「さっき先生から聞いたんだけど、岡山の倉敷で、中学時代に3年間、弓道やってたんだって…???」


緊張しながらも可羊子、

「あっ。はい。でも、やっぱり…高校の弓道は凄いです。それに、友達からも聞いたんですけど、インターハイって…。」


彩萌。

「うん。今、それに向かって練習頑張ってる。」


チラチラと憲央の姿を見ながら可羊子。


そんな視線に気付いて彩萌、

「とにかく…。栞奈先生が弓道の顧問してから、部員が増えて嬉しい。矢島さんも頑張って。可南子さんの妹さんだよね。」


その声に目をパチクリさせて可羊子、

「あ~~。はい。」


「うん。…じゃ。」

「あ、ありがとうございます。」


3年の場所に戻って、女子部員と話ながら。そして男子部員とも話しながら彩萌。

「憲。もしかして…転校生の彼女、気にしてない…???」

にっこりと彩萌。

「なんだか、部員の男子の殆どが、彼女に視線投げてるけど…。」


そんな彩萌の声に憲央、

「はぁ~???…かかか。そんなはずないでしょ。…ただ、転校生で、弓道に入部なんて、相当珍しいな…。って思ってはいるけど…。」


「ふ~ん。」


「彩萌。彼女、どんだけできんのよ、弓道…???」

史江。


「ふ~~ん。中学で3年はやってたって。」

キョトンと彩萌。


その彩萌の声を聞いて憲央、史江、

「お~~~ぅ。」


いきなり憲央の左肘を突っついて史江、

「憲~~。どうする~~???」


憲央、

「はぁ~~あ…???…ったく、ふたりで、何言ってるかな~~。」


「この…色男が~~。」

意地悪そうに笑う史江。

「かかかか。」


「まっ、でも…。転校生自体、珍しいもんね~~。しかも…、姉妹でなんて…。憲も…彼女、面倒見てあげて。男子の中じゃ、あんたが一番なんだから、ここじゃ。」

憲央の右肩をトントンと叩いて彩萌。


憲央、

「お…、俺が…???」


「当然、史もね~~。」

目を細めて、にっこりとしながら彩萌。


「はいはい。分っかりました~~。優等生部長に言われれば、しゃあないでっしょ。ふん。」


2年生の射込み練習が終了し、1年。

練習中に史江、紗枝と茉優に声を掛けて、

ふたり共に頷き、そして彩萌の右肩をトントン。耳打ち。

そしてまっすぐにふたり共に、

「先生。」


栞奈、ふたりの声ににっこりと頷き、ふたりを勧める。


「矢島さん。ちょっといいかな…。」


可羊子、

「あっ、はい。」






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