姉妹坂 vol.029 「うん。矢島さん。歓迎するわ。我が器楽部にようこそ。」
園加と愛寿美、何だか、居心地が悪くなって…。
園加、
「あ…、あの…、一華…先生。」
愛寿美、
「私たち…、この辺で…。」
一華、
「あ~~。ははは。うん。ふたりとも、ありがとう。素敵な人、紹介してくれて…。」
可南子、
「園加~。アズ~~。」
園加、
「矢島~、私たち、これから…部活~~。芽久~~、お願い。」
園加と愛寿美、芽久に両手を合わせて。
芽久、戸惑うような顔で。それでもふたりに右手をひらひらと。
園加、愛寿美、部員たちの前で、
「お邪魔しました~~。」
そう言いながらドアの外に…。
一華、
「時間…過ぎてたのね~~。」
部員のひとり、
「先生…???」
可南子を見ながら。
一華、
「うん。そ~ね~~。ふふ。弓香~~。どお…???」
部員たちの前に出てきた弓香に両腕を広げながら、
「こちら…、矢島さん…。」
部員たちのざわざわとした声の中に、
「うちの学校に、これだけピアノ出来る人って…。」
「こりゃ~面白れぇ~~。水谷と一緒にセッション、いいんじゃねぇ…。」
「うんうん。何だか、凄い事になりそ。」
「それに、芽久のサックスとも…最高かも…。」
「先生…???」
弓香、
「先生の事だから、もう…。」
困ったようでもあり、溜息を付いた感じでもあるが、にこやかに弓香。
可南子を前に出して一華。
「今日から、この器楽部に入部となった、矢島可南子さん。…多分、さっき弾いた曲で、みんなも納得だと思うけど…。」
「その前に、ショパンの幻想即興曲…弾いてたんだ。」
ボソッと英吾。
「うそ!!!ショパンのあの…幻想即興曲…???凄っ。どんだけ弾けんのよ。」
部員の女子生徒。
可南子、
「先…生…。」
おろおろとしながら…。
一華、
「うん。矢島さん。歓迎するわ。我が器楽部にようこそ。」
「じゃ、じゃあ~~。」
「えぇ…。逆に、私の方から、いらっしゃいよ~~。…でしょう、弓香。」
女子生徒、そんな一華を見ながら、
「えっ、えぇ~~。」
「水谷弓香、この器楽部の部長。3年B組。担当は…ベース。まっ、コントラバスからエレキベースまで、熟すけど…。でも、弦楽器は殆ど大丈夫ね~。」
可南子、
「…凄い。…よろしく…お願いします。」
弓香にぺこりとお辞儀をして。
「それから…。矢島さんを彼女たちと一緒にここに連れてきた芽久。相良芽久。とにかく、内気な彼女。」
その一華の声に、申し訳なさそうに下を向いて視線を外す芽久。
「なんだけど~~。一度サックスを持たせたら~。みんな…踊っちゃう。凄いよ彼女。サックス奏者としては珍しい絶対音感の持ち主。」
その一華の声に可南子、いきなり自分の隣の芽久の顔を見て、
目を見開いてビックリ、思わず口から飛び出た、
「うそ。」




