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姉妹坂  作者: THMISmama
28/190

姉妹坂 vol.028 園加、愛寿美、「すげ――――――――っ!!!!」

園加、愛寿美、

「すごっ。」


芽久、

「……。」

何故か、鼓動が高くなる。


一華、矢島可南子と言う女子生徒のピアノを聴きながら、

「……。」

そして、弾いている可南子の顔を見ながら、

「…ふふ。いい顔してる。」



そして演奏が終わり、園加、愛寿美、

「すげ――――――――っ!!!!」


園加、

「凄い、凄い、矢っ島~~。」


愛寿美、

「凄い、凄い、私なんて、涙出ちゃったよ。可南子、可南子、凄い、凄い。」


「…って、この曲、知ってるけど…、なんだっけ…???アズ…???」

園加。


「ショパンの…。」

低い声で芽久。


一華、

「そう。ショパンの…。それから…???芽久。」

芽久の右肩に手を添えて…。


「ショパンの…、幻想即興曲。」


一華、

「うん。当たり。」


そして、

「矢島さん…???」


可南子、一華の顔を見て、

「はい。」


「アンコール。」


可南子、

「はっ…???」


「なんでもいいよ。アンコール。」


園加、愛寿美、

「やた―――――――っ!!!」


そして一華の隣の芽久、にっこりと、

「うん。」


可南子、そんな声に、

「え~~~~ぇぇぇぇ。」


園加、愛寿美、何度も首をコクリと…。


可南子、一華の顔を見て…。

「それ…じゃあ…。」

また鍵盤に向かってゆっくりと…、弾き始める…。



流れ始めるメロディを聴きながら一華、

「ん~~。ほぅ~~。」


園加、

「…ん…???この…曲…???」


「矢島さん…、この曲…、知ってましたか…???」

一華。


「はい。好きな曲なんです。」

可南子。


「あっ、思い出した。」

愛寿美。

「ドラマで…、綾野剛がピアノで弾いてた。」


「Babyの曲。」

低い声で芽久。


「そう。ドラマ、コウノドリのメインテーマよね。」

一華。



「な~~んだか癒される~~。」

ピアノに凭れるように聞き入る園加。


その隣りで、

「こんな風に弾けたらな~~。」

そして、目を閉じてピアノに背を向けて感傷に浸る愛寿美。


…と、そこで目を開けて、いきなり、

「えっ…。」


目の前に勢揃いしている器楽部の部員たち。

その部員たち数名が一斉に、口に人差し指を立てて、

「シ―――――ッ!!!」


思わず左手を口に当て、右手で園加の背中をツンツンと…。


園加、愛寿美の方に顔を向け、愛寿美の右手人差し指を見て、

「いっ。」

目の前の部員たち、今度は園加を見てニッコリと。


園加と愛寿美、お互いに。恥ずかしいような顔をして寄り添いながら…。

そこで丁度、演奏が終わり、拍手喝采。


その拍手に驚く一華と可南子、芽久。


一華、

「えっ???」


一華、

そのまま振り向き、

「あっ。」

そして腕時計を見て、

「おやおや。」


可南子、

「先生…。私…。…すみません。」

ピアノ椅子から立ち上がり、一華に謝る可南子。


そんな可南子に一華、

「あ~~、あ~~。いいの、いいの。」





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