姉妹坂 vol.026 「…器楽…部に…なっちゃう…。」
授業が終わって…。
「さて…と。矢っ島~~。んじゃ…、部活…どうする~~???本当は、私たちがやってるバドに誘いたかったんだけど…。まっ、それも…中途半端に…なっちゃうよね~~。」
園加。
「…っていう事は~~。可南子の趣味に…通じる…ピアノって…言えば…。…や~~っぱり…器楽…部に…なっちゃう…???」
愛寿美。
園加、
「うん。でも…。」
いきなりニッコリとさせて…。
「矢っ島~~。ニッシシシ。器楽も素敵だよ~~ん。」
「…っと、すると…。このクラ…ス…。…おっといた。…芽久~~。」
いきなり愛寿美から名前を呼ばれて、最前列の席に座っていた相良芽久、
後ろを振り向いて、
「えっ…???」
なにやらかなりおとなしそうな雰囲気で、もう一度、
「えっ。なに…???」
愛寿美、
「ねねねね、芽久~~。あなた、器楽部だよね~。」
芽久、
「え…ぇ…。」
芽久の席まで駆け寄っての園加と愛寿美。
「ちょっと、お願いがあるんだけど…。」
愛寿美。
芽久、何かしら不安げに…、
「お…願いって…???」
小さく、そして静かな声で…。
「うん。ほら。」
そう言って自分の席にいる可南子を振り返って、
「昨日転校してきた矢島可南子。」
芽久、
「矢島…可南子さん…???」
芽久も後ろに振り返って可南子を見て、軽くお辞儀をして…。
「彼女、前の岡山の倉敷で、ピアノ弾いてたんだって。」
園加。
芽久、
「ピアノ…。」
「そう。だから、高3で、これから新しい部活に入るより、前々からやっていたの、続けた方が良いかなって…思って…。」
愛寿美。
「そこで、芽久、あんたにお願いがあるの。」
芽久、
「……。」
園加、可南子を手招きして…。
廊下を歩きながら、芽久、
「へぇ~~。矢島さん…。小学6年からピアノ…弾いてたんだ~~。」
可南子、
「うん。同じ社宅に住んでいた人が物凄いピアノ上手だったの。…で、好きなら教えてあげるって。それからもうず~~っと。家にはピアノはないんだけど…、エレクトーン、使ってる。」
そして、職員室に入ると、
「あれ…???先生…いない。…と言う事は…もう…。」
静かな声で芽久、
「ごめんなさい。多分、先生…、音楽室だと思う。まだ部活、始まるのには、時間あるから…。」
おっとりとした声で…。
「んじゃ、音楽室行こう。」
園加。
「あっ、でもふたりとも…、部活の時間…大丈夫なの…???」
可南子。
「ふん。全然。オッケー。さっき、同じ部の子に遅くなるって、話しといたから。」
廊下を歩きながら、次第に聞こえてくるピアノの音。
可南子、
「あっ、シューマンだ。」
そして、
「アラベスク。」
「えっ、うそ。矢島さん…、この…、知ってるの…???」
聞こえてくるピアノのメロディに芽久。
可南子、
「えっ…???えぇ…。」
「凄~~い。私…全然分からない。」
芽久。
可南子、そんな芽久に、
「はははは。」




