姉妹坂 vol.246 可南子、「彩萌…。」
可南子、
「彩萌…。」
彩萌、振り返り、要次の前に…。
そして、
「先生…。田所先生…。」
要次、
「…小塚…。」
可南子、
「彩萌。」
弓香、そして史江と紗枝…、
「彩萌。」
要次、そんな彩萌を見て、そしてにっこりと…、
「小塚…。おまえだろ、一華先生に、私にバレンタイン…。チョコレート。」
既に目は潤んで目尻から涙の彩萌。
彩萌、そんな涙を両の手で拭いながら、声にもならない声で、
「せん…せい…。…私…、せん…。ん…。の…、こと…。ん…。ん~~…。」
要次、
「小塚~~。」
「すぎ…だったんで…。」
はちきれんばかりの鼓動。
「う…。う…。」
「小塚~~。」
可南子、弓香、
「彩萌…。」
史江、
「うっ。」
涙ぐんで。
紗枝、
「がんばれ。」
彩萌、目が涙で濁る。
「ぜんぜいが…。すぎ――――――っ。」
そして自然に体が要次の体目掛けて。
要次、
「お~~っと、おっとっと。」
彩萌の両肩を両手で支えて。
「そっか、そっか。」
要次、
「ありがとな~~。小塚~~。こんな子持ちのおじさん…、好きになってくれてな~~。かかか。うん。ありがと。ありがとな~~。」
そして傍を向きながら、
「可南子~~。弓香~~。史江~~。紗枝~~。おまえら、本当にいいやつらだよな~~。」
可南子、
「先生…。」
「もしかしたら…。俺な…、先生な…。この学校で、この1年間、一番良い思い…したと思う。…それ、みんな、おまえらのお蔭だ。ありがとうな~~。」
彩萌の頭を優しく撫でながら要次。
「小塚…。彩萌~~。おまえ、本当にいいやつだよな~~。先生な、おまえや定岡、そして可南子と可羊子に、本当に感謝してる。そして、彩萌、おまえを先生は好きだ。」
彩萌、
「えっ…???」
「かかかか。それだけじゃないぞぉ~~。可南子~。」
可南子、
「えっ…???」
「おまえも好きだ。そして弓香、おまえも、史江、おまえも。紗枝、おまえもだ。そして定岡、信一、茉優、可羊子たち。先生な、おまえらに出会えて良かった~~。」
可南子、
「先生…。」
そして、
「可南子~~。」
要次。
可南子、
「あっ…。はい。」
「ありがとな~~。おまえ…。彩萌の気持ちを俺に。先生に伝えたくって…。」
可南子、
「えぇ…。」
そして彩萌に向かって。
「彩萌…。先生の事…、好きになってくれて。ありがと。先生もおまえが好きだ。」
彩萌、
「せんせい…。」
「彩萌が好きだ。…好きだからこそ。高校…卒業して、そして、大学に行って、そして今度は社会に出て、素敵な女性になってくれ。」
彩萌、
「……。」
「まだ、おまえも、可南子も弓香も、受験は終わってない。まだまだ頑張らないと。」
可南子、
「先生…。」
「先生は…そんなおまえらを…応援している。担任…じゃあ…ないけど…。先生の大切な教え子たちだ。」
弓香、史江、紗枝、
「せんせい…。」
要次、
「先生は…。そんな素敵な女性になった、彩萌を…待っている。」
彩萌、
「せんせい…。」
要次、彩萌の肩を両手で、優しく撫でて、
「なっ。」




