姉妹坂 vol.245 ひとつの出来事が…。
そして、そんなバレンタインデーの10日後に控えている国公立の前期試験に猛奮闘中の可南子。
そして、ここにもひとり。去年の夏の合宿で、ようやくみんなで撮れた写真を目の前に。
彩萌である。時計のデジタル数字は午後11時。
そして3年の春には、国公立を受ける事など考えてもいなかった、もうひとり。
弓香である。
トレイを持ちながらリビングに水谷茂子、弓香の母親である。
「しっかりと…勉強してた。」
「ふん。それにしても、まさか…国立を受けるとは…。かかかか。あいつめ…。」
弓香の父親、富美夫。
「まぁ…。私立よりは…私の本音では…ありがたいけど…。」
そして、泉川学院高等学校卒業式。
学校長の西園寺望海から卒業証書を渡される生徒たち。
それぞれが晴れ晴れとした顔で…。
やがて無事に卒業式も終了し、それぞれ記念写真を撮ったり…。
教師たちとの最後の別れ。
その中でも生徒たちに囲まれているのが栞奈。
新婚でもあり、そして既に、お腹の中には…新たな命が…。
そしてここでひとつの出来事が…。
体育館から職員室に向かおうとしている教師たち。
そんな教師たちに可南子、弓香、そして史江と紗枝、
「田所先生、ちょっといいですか。」
いきなり右腕を引っ張られる要次。
「何々、どうしたの…???可南子に弓香、それに史江に紗枝…???はぁ…???」
「ちょっと時間…下さいって。」
宗雄、
「ん~~。あいつら…、どうした…???」
少し後ろから、今度は女性教師陣、出雲に、夏妃、そして一華に理美。
出雲、
「あら…、あの子たち…???」
夏妃、
「あっ。可南子。弓香に、史江と紗枝…。」
「に~~。引っ張られて…。」
一華、
「田所…先生…???」
そして、すぐに、
「あ~~~。」
夏妃、理美、
「へっ…???何か…???一華先生…???」
一華、くすくすと笑いながら、
「ぷっ。ううん。なんでもない…。教師との最後のお別れ…かな~~。」
廊下を歩きながら可南子、
「すみません、田所先生。ちょっと私たちに付き合ってくれませんか。高校生、最後のお願い。」
可南子、弓香、そして史江と紗枝に囲まれながらの要次、
「…って、どこに行くのよ。は…あ…???」
弓香、
「私たちの大切な友達の思い、伝えたくってねぇ~~。」
史江、
「うん。」
要次、
「大切な友達の思い…???」
そして頭を傾げて、
「さっぱり分からん。」
そして、5人が辿り着いた場所。
要次、
「弓道の…道場…。…誰も…いないじゃ…な…。あっ。」
道場の真ん中に、ポツリとひとりで…。
弓道着姿で、座った状態から。そして立ち上がり…、そして…、矢を射る。
要次、
「…小塚…。」
可南子、弓香、史江、紗枝、
「やた。さすが彩萌、中り。」
「先生…。彩萌の思い…。聞いてあげて下さい。」
可南子。
弓香、史江、紗枝、
「おねがいします。」
要次、
「おまえら…。」




