姉妹坂 vol.222 志帆、一瞬、「へっ…???」
志帆、一瞬、
「へっ…???」
そして可南子、自分の口から飛び出た言葉に、ようやく気付いて、
「えっ…???わっ!!!」
そしてすぐに、頭を下げて、
「ごめんなさい。私…、つい…。ごめんなさい、お姉さん。」
志帆に向かって詫びる可南子。
広瀬、思わずクスリと…。
「かかかか。」
志帆、目を真ん丸く、そして口を真一文字に…。そして…にっこりと…。
「ふ~~~ん。」
敦司から、右肘を突かれて、
「おぃ。」
響がベンチに。
「お~~~。」
「イェイ。」
「同点、同点。」
「せんぱ~~い。」
泉川側観客席からまだ続いている拍手。
まだ彩萌や憲央たちの姿はない。
「いやいや…、まさか…。あれがホームランになるとは…。」
宗雄。
夏妃、
「ラッキーと言うしか…ないよね~~。」
「それより、海野君…気になるけど…。」
一華。
「うん。小塚たち、あの辺、ずらりといなくなってたから…。もしかしたら…。」
要次。
いきなりふたりから、「航!!!何やってんのよ!!!」と言われて、
右手で頭を掻いて、口を捩じる航。
ダイヤモンド一周した啓、ベンチに戻って。
広瀬、
「よ~くやった~~。渡瀬~~。」
部員たちに歓迎されての啓、
「おぅ。…まさか…、あれが入るなんてな。」
そして航を見て、
「おぅ、航、どうだった。」
ネクストバッターサークルの条一がバッターボックスに。
広瀬、
「なんとか、骨には異常なし。けど、この状態だ。無理は出来ない。固定して、しっかりと安静しないと…。…と、言う医師の診断だ。」
「航、とにかく…、無事で良かった。」
有紀。
「野球部主将の堀越有紀。3年D組だ。」
広瀬。
「あっ。じゃ、信一君と一緒のクラス。」
可南子。
敦司、航、
「うん。」
「確か…。3年A組の…矢島…可南子…さん…???」
キョトンとした目で邦展。
可南子、
「はい。」
「…で…、航の…???ん…???ん…???」
そんなひとりの野球部員に志帆、思わずクスリとして。
「邦~~。何バカな事、言ってんだよ。ここにいるってぇ事は…、当然だろ…。」
響。
「ねぇ~~。可南子ちゃん。」
その声に可南子、
「へっ…???…あっ。いや…。あ…。あの…。」
すかさず志帆、可南子の右腕に自分の腕を巻き付けて、
「うん。そう。この人、弟の彼女。で~~す。へへ。」
そしてペロリと舌を出して。
可南子、
「えっ!!!そんな…。」
航、
「姉貴!!!」
「かかか。そういう訳か。いいなぁ~~航~~。あっ。それに可南子さん。ピアノ…凄ぇ~~。上手って、聞いてるけど…。」
啓。
観客席に戻って来た彩萌と憲央たち。弓香、
「彩萌、一応、先生たちに…。」
「うん。そうだね。憲…。」
彩萌。
憲央、
「おぅ。」
3人が要次たちのいる席に…。
有紀、
「フルカウント。条一…。」
そして…。
「あ~~。やっぱり…、打たせてくんねぇか~。…ひぇ~~。これでツーアウト。」
ベンチに座って黙っている志帆、航、そして、可南子。




