姉妹坂 vol.220 航、小さな声で、「か…な…こ…。」
郁の、その一言で可南子、思わず両手を合わせて口を塞いで、
「良かった~~。ありがとうございます。」
航、小さな声で、
「か…な…こ…。」
その、小さな声を聞き逃さなかった彩芽、
「えっ…。」
園加、
「矢っ島~~。」
可南子の左腕に両手を絡めながら……。
愛寿美、
「うん。オッケー。海野~~。良かったじゃん。へへ。」
充希、何やら、困ったような、嬉しいような、複数な面持ちで。
そんな妻を見て洋、
「まさか、航にこんなに友達がいるとは…。はは…。こっちが驚きですよ~~。中学時代とは、全く真逆だわ。」
そして航を見て、
「なぁ。」
広瀬、
「いやいや。私もびっくりですよ。話しには聞いてましたが、これ程とは。しかも、圧倒的に女子が多い。モテる訳だ。」
史帆、航の右二の腕を左肘で突っ突きながら、ニッコリと唇を尖らせて。
「とにかく。大事に至らなくて良かった。先生、すぐに病院へ、ありがとうございました。感謝します。」
洋。
「いえいえ。とんでもないです。とにかく。うん。良かったです。骨にも異常がないと言う事で…。学校側にも…報告しないと…。」
そして航を見て、
「海野君、これから…どうするか…???試合の途中だけど、この状態だ。無理する事は…。」
郁を見ながら広瀬。
郁、
「あっ。えぇ~~。安静が一番です。…けど…。まっ。今のこの状態だと…。はい。ご本人に…お任せしますが…。あっ。必ず、誰かが、傍で、見守っていて戴ければ…。はい。大丈夫。ですけど…。」
一瞬、沈黙。
可南子、小さな声で、
「海野…君…???」
志帆、
「航…???」
「俺…。このまま…、球場…、戻りたい。みんな…、心配してるし。」
その声に広瀬、
「そ…か…。」
頭を掻きながら…。そして両親を見て、
「お父さん、お母さん…。」
洋、
「えっ。え~~。航が、そう…したいのであれば…。私たちは…。」
充希、
「ちょっと…、おとうさん…。」
志帆、
「だ~いじょうぶよ、私…、着いてるから。それに…。」
可南子を見て志帆。
「彼女も一緒に。ねっ。可南子ちゃん。」
その声に可南子、
「えっ…???えぇ~~。はい…。」
航、
「せんぱ…。」
そして声には出ない口パクで、
「かなこ…。」
憲央、
「うん。試合…、あれから、どうなったか…、気になるし…。」
広瀬、
「おとうさん、おかあさん。これだけの友達いるんなら、逆に大丈夫でしょう。任せて戴ければ…。」
洋、
「はい。お願いします。」
「じゃあ~~。私は…このまま、一緒に、球場に…。矢島君、お姉さん。」
充希、
「よろしく、お願いします。志帆、じゃ。」
志帆、
「うん。大丈夫。じゃ、航、可南子ちゃん。先生、お願いします。」
彩萌、
「じゃあ~。私たちも…、玄関まで。」
弓香、
「あっ。タクシー、お願いしなくっちゃ。」
航、
「ごめんな。俺…、こんなになって、みんなに…迷惑掛けて。」
「な~に言ってる~~。みんな、可南子と海野、好きだもん。こんなの、当たり前でしょ~。」
史江。
紗枝、
「ぴんぽ~ん。」
少し目を潤ませて…。




