姉妹坂 vol.219 紗枝、「みんな、わ~君の友達。」
洋、可南子から事情を聞いて、
「そう…でしたか…。…で、今、航は…この…???」
可南子、
「はい。今、診察を…。」
充希、
「ありがとう…、わざわざ…。」
にっこりと。そして、
「もう…大丈夫よ。」
可南子、
「はい。あっ。でも…。」
洋、
「…ん…???」
「他に、友達も、こっちに…向かって…。」
充希、
「えっ…???」
その時、廊下の遠くから、
「おばさん、おじさん。」
紗枝の声である。
充希、
「紗枝…ちゃん…。そして…。」
ぞろぞろと診察室の前に、彩萌たち。
可南子、
「みんな…。」
彩萌、
「うん。海野君…、どう…???」
洋、
「君…たち…???」
紗枝、
「みんな、わ~君の友達。」
充希、目をパチクリと、
「わ…たる…の…???」
洋、
「こんなに…。」
「そして、わ~~君の彼女が、この人。」
可南子の肩を抱いて紗枝。
いきなり可南子、
「紗枝!!!」
充希、洋、
「は…あ…???」
彩萌、
「ぷっ。紗枝。や~る~~。」
可羊子、
「お姉ぇ…。」
「可南子。…で、海野…???」
憲央。
可南子、診察室を指差して…。
その時、ドアがガラリ。
「あっ。」
可南子。
充希、洋、
「航…、志帆、先生…。」
広瀬、
「おっと。こんなに…。」
航の両親であろう男女に広瀬、
「海野君の…ご両親で…。」
挨拶のお辞儀をしながら、
「野球部顧問の、広瀬です。この度は、申し訳、ありませんでした。私の不徳の致すところで、お子さんを…。」
洋、両手をひらひらとさせて。
「いやいや。とんでもない。あんなアクシデント。先生には一切…。決して…。」
「…で、航…???志帆…???」
充希。
「整形外科医師の菊田郁と申します。」
両親らしい男女に丁寧にお辞儀をして郁。
「お子さんの診察、させて戴きました。」
志帆、ニッコリと、そして真一文字に口。
「骨に異常は認められません。けれど、靭帯が部分的に切れた状態です。そのために治療が必要となります。」
充希、洋、
「……。」
「けれども、手術などは必要ありません。先程、広瀬先生、そして2人にも説明しましたが、しっかりと固定して下さい。この状態です。」
航の左側の状態に両手で示して。
「そしてとにかく安静に。免加となります。つまりは体重を掛けないでください。」
紗枝、彩萌、
「海野…君。」
憲央、
「海野。」
「ちょっと…元に戻るのには…時間…必要になりますが…。多分、普通よりは、早いはず。」
広瀬、にっこりとして。
「あっ。いや…失礼…。」
「お子様、かなり、鍛えられているみたい。ふふ。」
郁。両ポケットに手を入れて。
「ねっ。ふふん。」
弓香、小さな声で、
「竹内結子に…似てる。」
摩耶、
「うん。私もそう思った。」
可南子、
「あの…。海野君…、ギター…???」
充希、洋、
「…???」
志帆、
「ふふ。うん。気になっちゃうよね~~。バンドのパートナーだもん。はいはいはい。」
口の前で両手を合わせて。
郁、
「…ん…???」
広瀬を見て…。
広瀬、頭を傾げて、
「…???」
目をパチクリさせて郁、
「海野君…、ギター…???バンド…???」
志帆、
「えぇ…。弟は…バンド…やってて。ギター…担当…。」
「ふぅ~~ん。」
数回頷いて郁、
「うん。大丈夫、リハ次第。弾けるようになるよ。私が保証する。」




