姉妹坂 vol.217 観客席で彩萌、弓香、不思議に一緒に立って…。
「あ~~。知り合いが勤務している病院が、近くにあるんで…、そこに。急患で、看てもらいます。今、電話。」
車のドアを開けて、
「どうぞ。」
志帆、可南子、航、
「すみません。ありがとうございます。」
広瀬、
「…もしもし、泉川学院高校の広瀬と申します。急患、お願いしたいんですが…。菊田先生…。」
志帆、
「先生…???」
広瀬、
「迫田総合病院になります。……。おぅ~~郁ちゃん。」
スマホの向こう、菊田郁、
「あら…ケーキ、しばらく。急患って…聞いたけど。」
志帆、またスマホで、
「かあさん。迫田総合病院。」
通路を駆け足の充希と洋、
「おとうさん、迫田総合病院。」
「分かった。」
バックミラーで、航の姉を見て広瀬、
「すみません、海野さん。」
志帆、
「いいえ…。今、父と母も、迫田総合病院、向かうようです。」
「そう…ですか~~。」
観客席で彩萌、弓香、不思議に一緒に立って、
「だめ。私たちも行く。」
彩萌、
「カヨッチ。憲。」
憲央、
「だ~~ね。おぅ。」
「かかかか。やっぱ、そうなるか…。」
史江。
「信一~~。」
「ほぃほぃ。まっ、敦司には…悪いけど。」
園加、
「さてと。んじゃ。」
佐智子、
「鈴鹿、レミ。」
弓香、
「摩耶、菜穂子。」
ふたり、
「あいよ。」
一気に、その数名の場所が空く。
可南子のスマホに着電。可南子、
「…ん…???電話…。」
広瀬、助手席を見て。
「あっ。彩萌…。」
通路を歩きながら…、
「可南子~~。病院…どこ…???」
その声に可南子、思わず目が潤んで、
「迫田総合病院。」
彩萌、
「弓香、憲、迫田総合病院。」
憲央、
「おぅ。」
弓香、
「分かった。」
少しだけ目尻から零れた涙を拭って可南子、
「へへ。みんな…病院に向かう…みたい。」
広瀬、運転しながら、
「ほぅ~~。友達、来てたんだ。」
「うん。10人くらい、いるから。」
「へぇ~~~。凄いな。」
後部席で志帆、
「可南子…ちゃん。」
体をぐったりとさせている航、
「……。」
志帆、
「航…。いい友達、持ってるね~~。初めてじゃん、あんた。」
広瀬、
「もうすぐですよ。海野君、大丈夫か…???」
航、
「すんません。なんか…、ボ~~ッと、してる。」
「救急車、待つより…。」
「あっ。あった。迫田総合病院。」
可南子。
「ほぃ、着いた~~。」
充希、車に向かいながら洋にスマホの画面を…、
「おとうさん…ここ…。」
洋、
「うん。」
車のドアを開けて、
「うん。分かった。」
そしてこちらは…。
偶然に信号待ちしていたタクシーに、彩萌、ドアをコンコン。
タクシーの運転手、
「えぇ…???」
「すみません。迫田総合病院まで…。」
彩萌。
「弓香、史、摩耶、菜穂子、先行ってて。俺たち、追い掛ける。」
憲央。
彩萌、
「分かった。運転手さん。ここに、もう2台…???」
「あぁ、分かった。待ってな。」
凡そ5分後に野球場に到着した2台のタクシーに憲央たち、乗り込んで。
憲央、
「大丈夫かな、海野~~。」




