姉妹坂 vol.206 「もう…みんな、公認になってるし…。」
「うそ―――――――っ!!!」
部屋で勉強しながら可南子。
「ほんと、ほんと。廊下なんかもう、人だかり。…で、みんな、スマホ持って撮ってるの。」
可羊子。
「写真を…???それとも…動画…???」
「分かんないよ、そこまでは~~。」
「へぇ~~。凄いじゃん、弓道部、ここにきて、また、入部希望者いたら、嬉しいよね。」
「うん。」
「…で、あれから、憲央君とは…???カヨ…???」
その声にいきなり顔を赤くして可羊子、枕を抱えて、そして可南子に投げつけて。
「もぅ~~。それ言うな~~。」
投げられた枕をパ~ンチの可南子、
「いやいやいや。だって、もう…みんな、公認になってるし…。カヨの彼氏、憲央君って…。憲央君だって、カヨの事…。じゃなかったら、川には飛びこまないでしょ。」
その可南子の話しに、可羊子、下唇をビロ~ンと。
「…うん。川の中で、憲さん、私、しっかりと捕まえて離れないように、してくれた。」
そんな可羊子に可南子、
「…なら…。」
可羊子、
「……。」
「だって…、あんた…前から、憲央君、気になってたじゃん。」
可羊子、
「……。」
「カヨ~~。みんな、カヨの事…、好きだから、カヨと憲央君の事、応援…してくれるよ。」
そんな可南子の声に可羊子、
「…かな~~。…でも…。」
「でも…何よ…???」
「な~~んか…、妙に複雑…。」
可南子、
「はっ…???」
「だって…。だって、だって。憲さん。今日、私に何にも話、掛けないんだもん。」
「はっ…???」
「だって、ずっと、彩萌さんと史さんと、紗枝さんとばっかり。」
「はっ…???」
「私だって、憲さん…話したかったけど…。」
「けど…。」
「出来なかった…。」
その声に可南子、目が点。そして、ポカ~~ンと開いた口。
可羊子、そんなダラリとしてフリーズしている姉を見て、
「な…なによ、その顔…。」
そして可南子、いきなり、
「ぷっ。」
「なんで笑うかな~~。こっちは真剣に、憲さんの事~~。もぅ~~。」
「な~~によ~~。や~~っぱり、憲央君~~。」
床に落ちていた可羊子の枕を拾って、可羊子にバン。
「あんた、何のためにスマホ持ってんのよ。それに…。それで良く学年で上位になれるよね~~。その辺は…まっ、さすが、私の妹だけど…。」
その声を聞いて可羊子、
「あっ!!!!あっ。あっ。」
いきなり両手をパン。
「そっか、そかそかそか。そっかぁ~~。それがあった~~~。」
いきなりベッドから飛び降りて、自分の机の上のスマホを持って。
「うんうんうん。」
「私だって、これがあるから、助かる~~。」
「だよね~~。うんうん。これこれ。…ん…???何…、助かるって…お姉ぇ…???」
そんな可羊子の声に可南子、
「へっ…???」
「いや…。お姉ぇ…、今、これがあるから…助かるって…???」
「あっ。…いや…。別に…。」
そして。参考書に向かいながら、
「さささ。勉強、勉強。バンドばっかりで、勉強おろそかになっちゃうと…。ヤバイ、ヤバイ。」
小さな声で、
「お姉ぇ…、いっつも…誰と…電話…???」
サッと、可南子のスマホを机から。
「わっ!!!こらっ。カヨッ!!!」




