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姉妹坂  作者: THMISmama
203/249

姉妹坂 vol.202 バッグからハンカチを出して鼻を押さえる可織。

サンバの楽曲が5分続く。演奏終了、いきなり観客席から拍手喝采。

その拍手が鳴り止まない内に、いきなりドラムでテンポ。

すぐにキーボードが小刻みなメロディから柔らかいメロディを。


観客席から、

「凄っ。あんな小さな子がここまで…。」


そしてエレキギターのストローク。軽快なポップである。


「わっ。今度は筧さん。可愛い声~~。かかかか。」

可羊子。


憲央、敦司、

「やるな~~。凄いよ。」


「それにしても、可南子凄~~い。3台のキーボード。使いこなしてる~~。」

弓香。


「さすがだわ。うん。」

菜穂子。



バッグからハンカチを出して鼻を抑える可織。それを左隣で見ている燐太郎、

「はは。かあさん…。」


その声に可織の右隣で演奏を聴いている可燐も、

「ん…???」

左隣を見て、

「ははは。おかあさん…。」


可織、

「だって…、お姉ぇ…。あんなに…。」

そして小さな声で、

「すご…い。…ははは…、涙出て、止まらない。」


可燐の右隣の留美子も、

「さすがだわ。凄い。」

そして入口の方を見て、

「兄貴、遅いね~~。」


可燐を姉貴と言い、龍平を今や、兄貴と言う留美子。


「忙しいんでしょ。きっと。」

可燐。


凜太郎の隣の席が、空いたままになっている。

2曲目の楽曲が2コーラスのサビに入っている。


弓香、

「凄っ。ここまで声…出るんだ。筧さん。」


摩耶、

「練習…してんだね~~。」


そんなライズのメンバーの演奏を観客が見えないステージの袖で見守っているひとりの女性。

「たいしたもんだわ、美和。さすがだね~~。しっかり歌いこんでる。」


傍にはふたりの女性から付き添われて。


「うん。OK。…それにしても、あの子。矢島可南子。や~る~~。航、とんでもない子、連れてきたね~~。」


璃子である。


そして、頭の中で、

「…ふふ。左近、こりゃ、あのふたりに…、ぞっこんになるかな…。」



2曲目終了。美和、

「ありがとうございます。…あの…、私、あんまり、お喋り、得意じゃないので…、ベテランに任せます。」


そして左近にマイクを渡して、こそこそと後ろに下がる美和。

いきなり観客、大笑い。


「ちょ…、ちょっと待ってよ、いきなり後ろに下がられても…。」

左近。


また観客大笑い。


「こんにちは、みなさん。ライズと言うバンドです。」


観客席のどこからか女性の声、

「おかえり~~。」


左近、

「あっ。嬉しいですね~~。ありがとうございます。ちょっと…なんだかんだ、ありまして、メンバーチェンジで…。新星ライズ。今、歌ってくれたのが、新星ライズのメインボーカリスト。筧美和。よろしく。」


「美和~~。おかえり~~。かわいい~~。」

今度は後ろの立ち見から、女性の声。


美和、両手を振って、丁寧にお辞儀をして。

観客、拍手。


左近、

「そして…。みなさんから見て、左側…。」





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