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姉妹坂  作者: THMISmama
185/249

姉妹坂 vol.185 思わず変顔になり、「な…。な~~んでもないよ。」

電車の中、シートに座っている可南子。

その前で、つり革に捕まり、窓の外を見ている航。


可南子、上目遣いで航を見て、今度は下を見て。

頭の中で、

「…海野君…、好きな女の子って…、いないのかな…???」

そんな風に考えて、また航を見て、下を見て…。

「…美和さん…かぁ…。綺麗だもんね~~。グィグィ。グィグィ。…と~~。」

自然に左拳が前に、小さく左右に振りながら。

「…私なんて…。いやいやいや…。無理無理無理無理、絶対無理。絶対、あんな風には出来ない。」

今度は握り拳を開いて、ひらひらさせながら。かと思えば今度は腕組みをして…。

「…やっぱり、大人なんだよね~~。」

…と、変に納得して…。そして頭を少し後ろに…。

その瞬間、

「あっ。」

目の前に、窓の外を見ていたはずの航の目と…。


航、可南子を見て頭を傾げながら…。

「どうか…、した…???左手で、なんだか…???」


可南子、思わず変顔になり、

「な…。な~~んでもないよ。」

途端に顔を下に向けてペロリと舌を…。






「えぇ…。もうみんな、食事終えて、部屋で休んで…。」

栞奈、スマホを耳に。電話の相手は校長の西園寺である。


自宅のリビングで、

「日中はごめんなさい。メールに気付いたの夕方過ぎだったの。とにかくおめでと。個人、決勝進出。開始早々、良い感じじゃない~~。」


栞奈、スマホの向こうに、

「ありがとうございます。」


「明日の団体、良い感じで臨めそうじゃない~~。」

「はい。」


「あぁ、田所先生と湯上先生には、伝えておきましたから。ふたり共、喜んでましたよ。合宿に同行した甲斐があったって。」


栞奈、ニッコリと笑って、

「先生たちには、本当にお世話になりました。よろしくお伝え下さい。」


「あっ。そうだ栞奈。有森君…???…あの子、どうなった…???」


その西園寺の声にも栞奈、にこやかな声で、

「大丈夫、間に合った。うん。だからなんとか予定通り、男子団体、期待、出来る。」


「そう~~。うん。良かった。」

ソファーに座ったまま、右手で左二の腕を押さえながら西園寺。

「そして。」


「えぇ。彼女。矢島可羊子。この大舞台で、どんな弓道見せてくれるか、楽しみ。」

「ふふ…。田所先生も、矢島さんには一目惚れしたようだった。剣道部に欲しいですよ~~。ですって。」


「うんうん。合宿中もそうだったから…。彼女を見る目。半端なかったわ~~。」

「そっか~~~。…ん~~。観に行けないのが残念ね~~。」





部員たちの部屋。レミ、

「カヨッチ…寝た…???」


レミの隣で静かに顔を天井に向けて眠っている可羊子。


「凄っ。明日、出ない私が緊張してんのに、もう寝てる。」

そんな可羊子の寝顔を見ながら…レミ、

「…ん…???」


目を閉じている可羊子。口が、

「ニ…。シシシ。…ん~~ん。ヤン。」

レミの方に寝返りをして…。

「く~~。」


レミ、

「は…ぁ…???」





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