表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
姉妹坂  作者: THMISmama
182/249

姉妹坂 vol.182 可南子、小さな声で、「右向こう…。」

声が止まってしまった可南子。


航、

「…ん…???どしたの…???」


可南子、小さな声で、

「右向こう…。」


「右…向こう…???あっ。」

その方向を見た途端に航も…。今度は左の方に顔を向けて。


ふたり、沈黙。右向こう、年老いた背の低い老夫婦であろう、

ぴったりと寄り添いながら、しかも、可南子と航をじっと見て、笑顔のまま。

しかも、夫の方は何度も頷いている。

何故か可南子と航、一切顔を見合わせる事もなく、だんまり。


そして数分後、ホームに降りたふたり。途端に、

「お~~~~。」


可南子、

「ぷっ。」


航、

「いやいやいやいやいや。」


「凄いよね。」

「ん…まぁ~~。何かしら、凄い、圧…って言うか~~。」


「だ~~ってさ。黙って、ニッコリしながらこっちの方…じ~~っと、見てるんだよ。」

右手で右頬を仰ぎながら。


「…って、言うか、先輩、下ばっかり…。」

「いやいやいや。だって…、そう…なるでしょ。」


「さすがに…あれだけ…見つめられると、やばいよね。」

「うん。」


そしてまたふたり、だんまり。

そして、何故かふたり、また赤くなる。


可南子、チラリと右隣の航を見上げ、目をパチクリ。

航も、左隣の可南子を見て、自分の隣を離れる事のない可南子を見て、

左頬を左人差し指でポリポリ。



「わったるっくん~~。」


いきなり後ろから声を掛けられ、

「わっ!!!」

ドキン。右前に出てきた顔を見て航、

「美和さ~~ん。」


「わぁ~。びっくりした~~。美和さ~~ん。こんにちは~~。」

可南子。


「後ろ歩いてたら、見覚えのあるふたりの後ろ姿、見えたから。…しかも、男性はしっかりとギターケース右肩に。」

美和。


可南子、

「うんうん。目立つよね~~。」


「良かった~~。ひとりでスタジオまで歩くより、楽しい。」

美和。


可南子、

「うん。…美和さん、仕事帰り…???」


「うん。そうだよ。」

前を向いて美和。


「IT関係って、忙しいんでしょ。」

可南子。


美和、航、可南子の順で改札を過ぎて、また自然に、航を真ん中に…。


美和、

「うん。忙しい部署は物凄いよ。でも、ウチの部署は、滅多に残業…ないんだ。…逆に、残業すると…、怒られる。」


可南子、

「へぇ~~。ウチのお父さんなんて、毎日、遅い~~。」


「へぇ~~。可南子ちゃんのお父さん、どんな仕事…???」


航の顔の前で、ふたりの女性の声が交わされる。


「不動産会社。」

可南子。


「えっ!!!どこ、どこ…???」

美和、航の右側から。


「興和不動産。」


「興和…???あぁ~~。聞いた事、あるある。結構…大手~~。凄いじゃん。…航君…、知ってる…???興和…不動産…???」

そして航の顔を見て…、

「…訳…ないか…。はははは。」

舌をペロリと出して美和。可南子を見てにっこりと。


可南子、

「へへ…。多分…。」



航、頭の中で、

「…って…、なんで、俺…真ん中…???」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ