姉妹坂 vol.150 「な~んだか…カヨッチ、羨ましい~~。」レミ。
「わっ!!!!わわわわわわ。」
部屋に戻って可羊子。
レミ、
「う~~っわ。」
「なんと。」
「あ…か~~~。」
「さすがに、凄い力だったもん…。」
汗がタラリと可羊子。
憲央から身体を支えられた時の腕の痕がくっきりと…。
「こんなに…、なっちゃうんだ~~。」
「…でも…、な~んだか…カヨッチ、羨ましい~~。」
レミ。
「へっ…???」
「だ~~って…、定岡先輩と、いきなり急接近。」
そんなレミの声に可羊子、
「へっ…???…いや…。いやいやいやいや。」
果子、
「そうだよ。あんな偶然、絶対に有り得ないもん。」
可羊子、
「はい…???」
「だってさ。定岡先輩、背が高いし、カッコいいし…。…でも、でもでも、絶対彼女いるって思うし…。…だから、そんな風に考えると、中々近づけないし…。…どっちかって行ったら、近くで見ているだけで精一杯って…。」
そんな果子の話しに、可羊子、
「あ~~。」
そして、その時、一瞬、可羊子の記憶に甦ったあの言葉。
可南子の、
「カヨ、あんた…、憲央君、好き…???」
その時、いきなり可羊子、胸がドキン。
「そっか~~。」
「はっ…???何がそっか~~???カヨッチ…???」
レミ。
Tシャツの裾を直して、そのまま窓際に…。
「私…。恵まれてる。お姉ぇがいるから、恵まれてるんだ。はは。」
「今度は笑ってるし…。」
レミ。
「変なの…???」
その夜。何故か眠れない可羊子。
目を閉じても頭の中で何度も繰り返される夕方の、憲央との出来事。
そんな出来事から次から次へと今までの憲央と一緒だった場面。
それに連れて心臓がドキドキと。
タオルケットを首まで。そして今度は右に体を…。
そして…、小さな声で、
「やだ…。なんで…???ドキドキして来た。」
翌朝。
「カヨッチ~~。」
「可羊子~~。」
「お~~い。朝だぞ~~。」
名前を呼んでもピクリともしない可羊子。
レミが、体を揺らし、
「朝だぞ~~。」
その時、いきなりビクンとして、バンと起きる可羊子。
「へっ???」
レミ、
「ビックリした~~。」
「はっ!!!夢…か…。」
レミ、キョトンとして。
可羊子、体をぐったりと、
「あ~~~。やばい、やばい。なんて夢だよ。…って言うか…。」
頭をダラリと。右手を頬に。
「眠~~~~。」
レミ、可羊子の顔を見ながら、ただ茫然と…。
「寝たの、3時だって~~~。」
レミに駄々をこねるように…。
「…んもう~~~。ね~~む~~~。」
レミ、
「はぁ…???3時…???…なにがどうした、この子は…???」
始終ボーッとしていたはずの可羊子。
けれども…、さっきまでの可羊子はどこへやら。
モグモグと朝食を食べる可羊子にレミ、
「転…換、早っ!!!」