姉妹坂 vol.149 「カヨ…ちゃん…、立てる…???」憲央。
「カヨ…ちゃん…、立てる…???」
憲央。
可羊子、
「うん。」
憲央の両膝から体勢を整えて、憲央から身体を支えてもらって。
「もぅ~~。びっくりした~~。果子~~。いきなり後ろから~~。」
口をへの字にしながら可羊子。
「かかかか。ごめんごめん。」
両手を顔の前で合わせて果子、
「まさか…、見事におっこっちゃうなんて…思わなかったよ。」
果子の隣で、
「こっちも思わずびっくり。だ~いじょうぶ~。怪我…???」
佐上淳可羊子と同じ部屋の女子。
「怪我はないけどさ~~。」
可羊子、地面に落ちたスリッパを持ちながら、
「先輩…ごめんなさい…、先輩…怪我…???」
憲央、
「あ~~。俺は大丈夫、お腹…大丈夫…???ちょっと強く…。」
可羊子、少し照れながら、
「へへ…、ちょっ…、ヒリヒリ…するかな…。」
左脇腹をTシャツの上から撫でながら。その瞬間、
「わっ!!!」
果子、淳、
「なになに???」
「松森せんぱ~~い。ごめんなさ~~い。」
可羊子、信一の前で両手を合わせて。
信一、未だに左半分の顔を左手で押さえながら。
「あ…。あ~~。痛って~~。ぶんなぐられた~~。」
レミ、両手を叩いて、
「キャッハハハハハハ。」
憲央、
「かかかか。信一~~。しっかりと…喰らっちまったなぁ~~。」
「ん~~???どうした~~。なんだか…妙に賑やかだけど…???」
甫。そのまま自販機に小銭を。
「あ…。ははは。なんでも…。はい。」
果子。
自販機から缶を取り上げる甫。
「あれ…???先生…ウーロンですか???」
淳。
「ふん…???あ~~。本当は…ビール…だけどな。大事な生徒たち、引率してるんだ。飲めないよな~~ははは。」
笑いながら甫。
果子、
「可哀想~~。弓道部の顧問でもないのに~~。」
「ん~~???まっ、おまえたちが合宿で、しっかりと頑張ってくれれば、御の字だ。頼むぞ、定岡~~。」
憲央、
「はい。」
「それはそうと…。小塚…、大丈夫か…???」
その甫の声に、可羊子とレミも、
「あ…。」
果子と淳も、
「あ~~。」
そんな甫に憲央、
「だいじょうぶです。はい。心配ないっす。」
そんな憲央の声に、それぞれ憲央に振り返って、
「えっ…???」
信一、
「憲…。」
甫、
「ふん…。そっか…。うん。…なら…いいけど。みんな…早く休めよ。合宿一日目。疲れただろ。」
そんな声にそれぞれ、
「は~~い。」
居間を出て行く甫。
「あぁ~~。カヨちゃん。これ…。」
可羊子のスマホを…。
「あっ。ありがとうございます。すみません。」
「お腹…、大丈夫…???」
「あ…。はい。すみません。」
「俺の方こそ、ごめんな。」
「あ…、あの…、彩萌さん…???」
「ん~~。あははは。だいじょうぶ。うん。心配すんな。ときには、想定外も…あるって…。」
可羊子、レミ、信一、
「そう…てい…がい…???」