姉妹坂 vol.148 憲央の右肩の上で可羊子、「うん。ありがと。」
「う~~っわ。これ、美味っしい~~。」
彩萌、御膳の中の煮物を食べながら。
「なになに…???」
史江。
「これって…???なんだっけ…憲…???長くて、丸くって…。あれ…???」
憲央、
「俺に訊いてどうすんだよ、分かる訳ねぇだろ…。」
「だって…、あんたのおかあさんたち、オーガニック…。」
そんな彩萌に憲央、
「お~~い。」
「ぜんまいの煮物~~。」
彩萌の後ろで加代子。
「ぜんまい…???」
そんな彩萌たちと加代子たちを見て要次、
「小塚…、何とか…。」
甫と栞奈の顔を右左に見て。
栞奈、
「えぇ…。なんだか…、気分転換に、なったみたい。」
甫、
「うんうん。」
加代子が彩萌にあれこれと説明しているのを見て、
「ふ~~ん…。はて…???」
民宿の庭。
ジュースを飲みながらの信一に可羊子、レミ、
「松森先輩。これ。」
動画を見せて。
「これ…、松森先輩が…アップ…???」
動画を見て信一、
「へっ…???あっ。いや…。…って…、えぇぇぇぇ。何であの時の…???いやいや。ビデオは俺の父さんの…だけど…、カード…コピーしてないし…。」
「どした~~???」
こちらも缶ジュースを飲みながら憲央。
「あ~~、憲~。この前のライズのリハ。もう動画、アップされてる。ほら。カヨちゃんたち、俺がアップしたんじゃないかって…。」
信一。
「そりゃ、ねぇだろ。だってあん時、おまえ、左近さんからカード受け取ってそのまま可南子に渡してたから。」
「だよな~~。」
レミ、
「それ…じゃあ…???」
そのまま信一の隣に腰掛ける憲央。
「多分、左近さんたちじゃない…???ライズのピーアール。」
そして憲央、
「それにしても、良く撮れてるよな~~。そして、さすが…可南子だ。」
その声に、憲央の右肩の上で可羊子、
「うん。ありがと。」
その時、一瞬右頬に感じた可羊子の息。
憲央、
「ふふ。」
ニッコリと。
…が、その瞬間、可羊子のすぐ後ろで、
「わっ!!!」
少し前屈みになっていた可羊子、
「わ~~わ~~わ~~。」
バランスを崩してそのまま前に…。
可羊子の右手はぶらぶらとさせながら信一の顔を直撃。
そのまま後ろにのけ反る。
必然的に可羊子の両足も床から離れて。
憲央の右肩に一瞬掛けた可羊子の左手は滑り、
その瞬間に憲央は少し後ろに。あわや体が地面に向かって。
その時、可羊子の体が止まった。憲央の膝の上で。
憲央の右腕は可羊子の左腹部から背中まで回すように。
信一、
「痛って~~。」
憲央、
「やっべぇ~~。ふぅ~~。」
可羊子、
「へっ…???今…???」
「可羊子!!!」
後ろで女子の声。
「だ~いじょうぶ~~???ごめ~~ん。」
信一、
「何がどう…???」
顔に手を当てて。
憲央、
「あ~ぶなかった~~。」
レミ、
「カヨッチ!!!」
憲央、初めて感じた女性の体の感触。
可羊子、
「先輩…、ごめん…なさい。」