姉妹坂 vol.145 籐の椅子で栞奈、「分かっちゃったか~~。」
開け放たれた窓から鳥の囀りが聞こえてくる。
籐の椅子で栞奈、
「分かっちゃったか~~。」
彩萌、茉優、
「キャハッ。」
「まっ、紗枝がいるもんね~~、あなたたちには…。あの子はとにかく、勘が鋭い。大学生だっけ。紗枝の彼氏。」
茉優、
「うん。物凄いハンサム。」
「はいはい。清き正しく、お付き合い…させて戴いております。」
籐の椅子の中で、彩萌と茉優に丁寧にお辞儀をして。
彩萌、茉優、
「わはっ。おめでとうございます~~。」
彩萌、栞奈の肩を抱くように、
「うれしい~~。」
茉優、
「ねね、いつ結婚…???他に知っている人って…???」
「こらっ。茉優~~。」
籐椅子の右で腰を下ろして肘掛けに両手を乗せている茉優に栞奈。
「校長先生しか…知らな~~い。」
その声に彩萌、
「わお。」
「いいな~~。素敵。うんうんうん。はは。」
茉優。
「何、茉優、あなた、大親友の紗枝には彼氏いて…、あなたには…???それに…???」
首を少し後ろに、
「彩萌も…。」
その瞬間、彩萌も茉優も、
「え~~~へへへへへへ。」
そして顔を見合わせて彩萌、茉優。
彩萌、
「へっ…???…茉優…???」
茉優、
「へっ…???」
栞奈、
「ん~~。茉優~~???あなた…。」
思わず茉優、ドキン。
その瞬間、栞奈の視線に入らない位置で茉優に右手を縦に、
「ごめん。」のゼスチャー。
いきなり部屋の外で賑やかな声。そしてガラリと戸が開き、
「あ~~~。いた~~。彩萌~~。茉優~~。」
史江。
「戻ってたんだ~。ふたりして~~。どこ行ってた~~。」
紗枝。
「私たち、お風呂、上がった~~。」
「さっ。あなたたちふたりも…、お風呂、入ってらっしゃい。」
栞奈。
「ふん。…だ~ね。へっ…???でも…、先生は…???」
彩萌。
「私は…。だって…、仕事…、まだ…残ってるし…。」
と、思った矢先、栞奈。
「ふん。まっ、いっか。」
テーブルの書類等々をバンと閉じて、
「入るか。」
その途端、史江、紗枝、
「え――――――――――っ!!!」
がっかりとしながら。
彩萌、茉優、
「やった~~~~。」
両手をパチパチと。
史江、紗枝、
「私たちも先生と一緒、入りたかった~~。んもぅ~~。」
「ごめん、ごめん、今度一緒に、入ろう。まだまだ一緒に入れるから。ねっ。」
「もう~~。早く行って来い~~。」
首に掛けたタオルを彩萌に投げつけて、
「イ~~~。」
史江。
彩萌、
「かかかかか。」
数分後、栞奈の座っていた籐椅子に座り紗枝、
「合宿中も…先生…仕事か~~。」
「大変だよね~~。教師って…。」
座椅子に座って史江。
「ねぇ、紗枝~~。彼氏と…今…、どうなの…???」
その声に紗枝、
「はぁ~~あ…???」
「いやいやいやいや…。その…。なんて言うか…???」
「珍しいね~。史がそんな事…言うなんて…。」