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姉妹坂  作者: THMISmama
145/157

姉妹坂 vol.145 籐の椅子で栞奈、「分かっちゃったか~~。」

開け放たれた窓から鳥の囀りが聞こえてくる。

籐の椅子で栞奈、

「分かっちゃったか~~。」


彩萌、茉優、

「キャハッ。」


「まっ、紗枝がいるもんね~~、あなたたちには…。あの子はとにかく、勘が鋭い。大学生だっけ。紗枝の彼氏。」


茉優、

「うん。物凄いハンサム。」


「はいはい。清き正しく、お付き合い…させて戴いております。」

籐の椅子の中で、彩萌と茉優に丁寧にお辞儀をして。


彩萌、茉優、

「わはっ。おめでとうございます~~。」


彩萌、栞奈の肩を抱くように、

「うれしい~~。」


茉優、

「ねね、いつ結婚…???他に知っている人って…???」


「こらっ。茉優~~。」

籐椅子の右で腰を下ろして肘掛けに両手を乗せている茉優に栞奈。

「校長先生しか…知らな~~い。」


その声に彩萌、

「わお。」


「いいな~~。素敵。うんうんうん。はは。」

茉優。


「何、茉優、あなた、大親友の紗枝には彼氏いて…、あなたには…???それに…???」

首を少し後ろに、

「彩萌も…。」


その瞬間、彩萌も茉優も、

「え~~~へへへへへへ。」

そして顔を見合わせて彩萌、茉優。


彩萌、

「へっ…???…茉優…???」


茉優、

「へっ…???」


栞奈、

「ん~~。茉優~~???あなた…。」


思わず茉優、ドキン。

その瞬間、栞奈の視線に入らない位置で茉優に右手を縦に、

「ごめん。」のゼスチャー。


いきなり部屋の外で賑やかな声。そしてガラリと戸が開き、

「あ~~~。いた~~。彩萌~~。茉優~~。」

史江。


「戻ってたんだ~。ふたりして~~。どこ行ってた~~。」

紗枝。

「私たち、お風呂、上がった~~。」


「さっ。あなたたちふたりも…、お風呂、入ってらっしゃい。」

栞奈。


「ふん。…だ~ね。へっ…???でも…、先生は…???」

彩萌。


「私は…。だって…、仕事…、まだ…残ってるし…。」

と、思った矢先、栞奈。

「ふん。まっ、いっか。」

テーブルの書類等々をバンと閉じて、

「入るか。」


その途端、史江、紗枝、

「え――――――――――っ!!!」

がっかりとしながら。


彩萌、茉優、

「やった~~~~。」

両手をパチパチと。


史江、紗枝、

「私たちも先生と一緒、入りたかった~~。んもぅ~~。」


「ごめん、ごめん、今度一緒に、入ろう。まだまだ一緒に入れるから。ねっ。」


「もう~~。早く行って来い~~。」

首に掛けたタオルを彩萌に投げつけて、

「イ~~~。」

史江。


彩萌、

「かかかかか。」



数分後、栞奈の座っていた籐椅子に座り紗枝、

「合宿中も…先生…仕事か~~。」


「大変だよね~~。教師って…。」

座椅子に座って史江。


「ねぇ、紗枝~~。彼氏と…今…、どうなの…???」


その声に紗枝、

「はぁ~~あ…???」


「いやいやいやいや…。その…。なんて言うか…???」

「珍しいね~。史がそんな事…言うなんて…。」





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