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姉妹坂  作者: THMISmama
135/158

姉妹坂 vol.135 今までとは違う女性の姿。

庭の植木の手入れをしながら燐太郎、

リビングから聞こえてくるエレクトーンのメロディを聴きながら、

「ん~~。誰の曲…弾いてるんだ…???」


可羊子、

「結構、いい曲だよね~~。詩も良いよ。」


「ふ~~ん。凄いもんだね~~。これ、その人が作ったんだ。おばあちゃん…、可南子が弾いてくれないと、全く楽譜見ても、チンプンカンプンだわ。」

可織。


可羊子、

「かかかか。そりゃそうだよ。私だって分かんないもん。楽譜見ただけじゃ。」


洗濯物が入ったカゴを持って、廊下を歩いて庭に向かう可燐、

「カヨ。あんたもう…合宿の準備…出来てんの…???」


可織、

「合宿って…???」


「うん。来週から弓道部の合宿。来月の最初にインターハイ、あるからね~~。」

「ふ~~ん。」


「そして…、今度は…これ…か…。」

ページを捲って可南子。


「それにしても可南子、今まで弾いた事ないのに、良くもまぁ、そんなに簡単に…。」

可織。


「…ん…。まぁ…。かかか。習慣…かな~~。」


「楽譜…読めるらしい…。お姉ぇの場合…。」

可羊子。


可織、

「ひぇ~~。凄い。」


そしてまた新しい楽曲を弾きはじめて、数秒後。

「あっ。それ…いいねぇ~、お姉ぇ…。」

庭から。


可南子、弾きながら、

「ふふ…。うんうん。私も良いかも…。これ…。」


「なんて言う曲…???」

可羊子。


「…港の見える丘から…。」


可織、

「ふ~~ん。」





ドカドカと階段を下り、台所の冷蔵庫からコーラをコップに入れてグィグィと。

そしてまたドタドタと廊下を、そしてドカドカと階段を…。

台所でお昼ご飯の準備をしながら充希。そんな航を見ながら。


それから数分後、またドカドカと階段を下りて、今度はトイレ。

そしてまた階段を…。

「航~~。」


階段の途中で航、

「あ~~???」


台所から出て充希、

「何、そんなにドタドタと。おとうさん、書斎で仕事してんのに。」


その母親の声に、

「あっ。悪い。」

にっこりと、

「ごめん。」


「何か、あった…???昨日から、嬉しいそうだけど…。」

航、目をキョロキョロさせて…。


「まっ、今日から夏休みだから…。うん。そりゃ、楽しいよね~~。」


航、

「…ん…。まっ、まぁね~~。」

そのまま部屋に…。


充希、

「ふん。夏…休み…ねぇ~~。」



部屋の中で、エアコンを掛けていても、汗を掻きながらのギター演奏の航。

目を閉じながら頭の中では、いつものメンバーの風景。

…だが、キーボードを弾いている女性は…、今までとは違う女性の姿。





「みんな~~。じゃ~。出発するよ~~。」

栞奈、運転席の隣で。


生徒たち、

「は~~い。」


「じゃ、田所先生。お願いします。」

要次、アクセルを踏んで、ハンドルを回し、

「お~し。行きますか。」





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