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姉妹坂  作者: THMISmama
134/190

姉妹坂 vol.134 「へぇ~~。中々やるじゃない、この子…。」

憲央、亜葵蘭の出て行った部屋のドアを見て、

「…ったく~~。」


…と、ほぼ同時に信一、

「うそ…。憲…、おま…???彼女…???」


その信一の声に被さるように憲央、

「いる訳ねぇだろ。勘違いしてんだよ。」

椅子から降りて、テーブルのグラスを持ってジュースを飲みながら。


キョトンとして信一。


「前に、姉貴と一緒に歩いてたとこ、彩萌たちに見られて。彩萌から電話掛かって来た事があったんだ。隣りの人、誰って…???」


信一、

「……。」


「それをそのまま、彼女だと思ってるんだよ。2番目の姉ちゃんには、違うって言ってるんだけど…。」


信一。なにやら疑心暗鬼に、

「…けど…???」

憲央の顔を見る信一。

「彩萌とは、かなり…仲…良いけど…。」


「いやいやいやいや。」

目の前で右手を振って、

「勘弁、勘弁。何か言えば、何か、必ずアクションだから、アイツ。ここ、抓られたり、足踏まれたり。冗談じゃねえぞ。下手すりゃ、ケツ、蹴飛ばされる。」


その話に信一、

「かかかか。確かに…。ぶっ。それは言える。」

そして、また、何かしら、目がトロ~ンとして信一、

「憲のお姉さん…、綺麗だ~~。」

目を閉じて天井を向きながら…。


憲央、

「は…ぁ…???」





「へぇ~~。中々やるじゃない、この子…。」

病室で左近から受け取ったカードで動画を見ながら璃子。


「あぁ。初見で黄昏の街角、途中からだけど、しっかりと弾いてくれた。どう…???」

ベッドの傍で椅子に座りながら左近。


「いいんじゃねぇ~。」

和樹。

「それにしても、ナイスタイミングだったよな。彼女とも一緒に、ダブルブッキング。」


璃子、笑いながら、

「美和ねぇ~~。見舞にきてくれた時に、ソレイユ、解散するって言われてね~。だったら…って、私の代わり、頼んだのよ。でも、まさか、航がね~~。そんなに凄かったの、定期演奏会…???」


「うん。」

左近と和樹、同時に頷いて。


「彼女、美和ちゃんも、来てたらしいけど…。その…矢島…可南子…。特に、リスト…。脱帽って…。」

和樹。


「へぇ~~。」

璃子、右手でキーボードを打ちながら、

「まさか…ねぇ~~。…ん…???…もしか…して…???…これ…か…???…かかか。おぅ、おぅ、ヒット。誰かさん、アップしてるね~~。」


和樹、

「…ん…???」


璃子、画面をふたりの方に、

「ほら。」


左近、画面を見て、

「おっと~~。や~るね~~。」


動画サイトにアップされていたのが、泉川学院高校器楽部定期演奏会の動画である。


「あっ。そうだ。……かかか。彼女たちの事、あんまりインパクトあり過ぎて、さっきまで覚えてたのに…。俺もそれ…録画してたんだ。」

そう言いながら自分のバッグの中からカードを取り出して璃子に、

「ほぃ。」


「かかかか。な~にやってんのよ~左近~。」





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