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姉妹坂  作者: THMISmama
130/158

姉妹坂 vol.130 「あんたの…説得力に…感謝する。」

既に彩萌、園加、愛寿美、史江、芽久、

弓香、摩耶、菜穂子からのLINEには、しっかりと…、

「バンド加入、おかあさん作戦成功のフレーズ。」


それぞれが、

「やった~~。」

「OK」

「やったね、矢島~。」

「可南子、ばんざ~い。」

等など、いろいろと…。


そして、履歴をポン。

数回のコールで相手。


「もしもし…、矢島…先輩…???」

「うん。可南子です。海野…くん…???」


「あ…。はい…。」

「両親に、バンド加入の許可、もらいました。」


隣のベッドで可羊子、

「ふふ。」


その声を聞いた途端に航、

「やった――――――っ!!!」

いきなりスマホを持ちながら万歳。


可南子、可羊子を見て、口パクで、

「やった~~」


そんな可南子を見てニッコリの可羊子。


そしてまたスマホを左耳に、航。

「ありがとうございます。先輩。」


「うん。…これから…、よろしく、お願い。」

「はい。こちらこそ、よろしくお願いします。」


「じゃ…、おやすみ。」

「はい。おやすみなさい。…わざわざ。ありがとうございました。」


電話を切って可南子、

「ふぅ。うん。」


可羊子の顔を見て可南子、

「…ん…???」


可羊子、

「ふふ~~ん。」

と、にっこり。

「な~んだか…、彼氏に電話…している…みた、わ~~~やめて。」


思いっ切り枕を投げようとする可南子。ベッドから飛び降りる可羊子に、

「イ――――――ッ。」

そして、すぐに枕を抱えながら、

「でも…カヨ…。」


可羊子、

「…ん…???」


「ありがとね。」


「ふん…???」

ベッドにドンとうつ伏せ状態に飛び込んで…可羊子。


「あんたの…説得力に…感謝する。」

そう言いながら、可羊子に敬礼をして。


「ふん。どんなもんじゃい。」

「これで…、カヨに、借りが出来たね~~。かかかか。」


「は~~あ~~???」





「ふ~~ん。これが…、ライズ…。」

夫婦の寝室でパソコンの画面を見ながら龍平。


「ん~~。どれどれ、私にも…。」

パジャマに着替えながらの可憐。


「ふん。ほら。」


龍平の隣に腰掛けるように可憐、

「男性…3人。へぇ~~。…多分、このギターの子が…、1年の…。」


「うん。…ん…???はっ…???」

「へっ…???…お姉ぇ。」


丁度、左近が可南子をキーボードに誘っている場面。


龍平、

「うそだろ…???」


「わっ。わわわわわ。」

口に手を当てて可憐。


「かかかかか。はっははははは。可南子、弾いちゃってるよ。…いやいやいや。曲、知ってんのかい…???」

「うそでしょ。あの子ったら。」


「いやいやいや。参ったね~~。」

唇に指を。目はまっすぐ画面に。下唇に人差し指を。そしてグイッと下に引っ張り、

「なんと、なんと。や~るもんだね~~。」


「ふん。我が娘ながら、天晴れ。」

龍平の右肩に両手を掛けて、にっこりと、

「ふん。」


龍平、口を尖らせて、今度は真一文字にして、

「そのようで…。」





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