姉妹坂 vol.013 ニッコリと微笑んで通り過ぎる女子生徒2名。
階段を下りて廊下を歩いて。あちらこちらを見ながら可南子。
「泉川学院高等学校…かぁ。」
他の生徒と数人すれ違いながら…。
「部活…か~。」
その時、
「えっ…???えええええ…。うそ…。」
目の前で、可南子の顔を見て何かしらニッコリと微笑んで通り過ぎる女子生徒2名。
「えええええ…。何、今の…???…生徒…???すっごい、綺麗…。おっとな~~。」
そして、その場を振り返る。
「いるんだね~~。参った~~。」
その時、いきなり腰の後ろを突っつかれた感触。思わず可南子、
「きゃっ。」
振り返ると、
「にっししししし。お姉ぇ。」
可羊子である。
「な~によ~。カヨ~~。んもぅ~。びっくりした~。何、あんたも帰り…???」
「ふん。まっ。初日、あちらこちら、見たいんだけど…。一応、みんなに…報告も…しなきゃって…、思ってね~。お姉ぇも…帰り…???」
「ふん。まっ、あんたと同じ考え。…って言うか…。おばあちゃんとおじいちゃんにお礼…しなきゃ。」
そんな可南子の声に、
「むふふふふ。…の、ようだ~~。」
「…と、いう事は、カヨのクラスにも、小学の時の友達…???」
昇降口に向かいながら可南子。
そんな可南子に指3本目の前に、可羊子。
「3人かぁ~~。」
「うん。お姉ぇのクラスは…???」
「ふたり。園加とアズがいた~~。」
笑いながら。
「へぇ~~。こっちは、サッチンに鈴鹿、そしてレミっと~~。」
「へぇ~~。」
「だから、結構、リラックス…出来たね~~うん。」
「だよね~~。だ~れも知らない生徒ばかりだと…、それこそ、しんどいよ…。」
靴に履き替えて、可南子の下駄箱の方に、
「それにさ…。」
可羊子。
「うん…???」
「み~んな、すんごい、情報通~~。」
「そうそう。それそれ。初日から、凄いよ。あれこれと…。」
可南子も靴に履き替えて。
ふたり一緒にグラウンド近くを通り。
「やってる、やってる。」
可羊子。
「ん~~???」
「うちのクラスの生徒に、野球部、1年でレギュラーで、4番、ピッチャーがいるんだ。」
「へぇ~~。」
それを聞いて可南子、
「あっ、そうだ、うちのクラスに、弓道部…いるよ~。凄いんだって。何やらインターハイに向かってるって…。」
可羊子、
「わお。すっご~~い。…弓道かぁ~~。」
「あんた、倉敷で、弓道…やってたじゃん。」
「うん。」
「顧問の先生…、もの凄い、綺麗な先生~~。」
「へぇ~~。」
「へっへ~。うちの担任だよ。竹脇、栞奈先生。」
「私のクラスは男の先生。シシ。結構~かっこいい。」
その時、可南子、
「わっ!!!わ~~~。はぁ~~。」
可羊子、
「へっ…???何々…???」
可南子の目の方向。頭上高い位置のネットにボール、
その場所からスル~~ッ。地面に落ちてコロコロ。
可南子、可羊子、
「えっえっ…???なんで…???」