姉妹坂 vol.129 「かかかか。つまりは…こういう事。」
「かかかか。つまりは…こういう事。」
留美子。
「簡単に言えば、今の状況、おかあさん、みんなを敵に回してると言う事。」
可羊子、
「えっ!!!」
「まぁ、この話を聞いて、龍さん…、どういうかは…分からないけど…。少なくとも、絶対、反対。とは、口からは、言えないのよ。考えてもみなさい。みんながお姉ぇの事、応援してくれてる。当然、先生も…。」
可羊子、
「うんうん。」
「図らずも、先生の場合は、教育者。ではあるけれど、教育者って、単に勉学を教えるだけが仕事じゃない。生徒を、正しい方向に導く事。それ以外にも、生徒の才能を伸ばしてあげる事も…教育者としての、仕事だもん。私はそう思ってる。」
可羊子、
「おばちゃん…。」
「今、思うと。…うん。あの先生。昨日の…演奏会、指揮してたの…そうでしょ。」
可羊子、
「うん。」
「あの先生なら、お姉ぇ…、任せられる。私なら、そう思う。それに、駅前で見た、あの子たち。」
「うんうん。みんな、凄い人たちばっかり。私やお姉ぇの幼馴染もいるけど、弓道部の部長。そして器楽部の部長。確か、成績もトップクラスの人たち…。」
そこまで可羊子から話を聞いて留美子、
「姉貴~~。」
そんな留美子に可憐、
「わ~かった、わ~かった。んもぅ~~。これ以上、私が反対してたら、成績も…落ちるって…言うんでしょ。」
留美子、首を傾げて、
「そこまでは…。かかかか。」
「顔が言ってるじゃないよ~~留美ちゃん。」
舌を出して留美子、
「わは。」
「…とは言え、お姉ぇだったら、私が反対しても、自分の道…、行っちゃうんだけど…。」
可羊子、
「そ~の通り~~。イヒ。」
「そのせいで、お姉ぇに、無視されたくも…ない!!!」
「かかかか。」
燐太郎、
「ほぅほぅ。私はこの辺で…。」
可織、
「さてと…。」
可憐、
「カヨ。お姉ぇ。」
可羊子、
「うん。分かった。」
そのまま、2階へと駆けて行く可羊子、
「お姉ぇ~~。」
「しっかし…、お姉ぇも、お姉ぇだけど、カヨも、カヨ。良く出来た娘たちで…。」
冷め切ったお茶を啜って留美子、
「うっ。冷た~~。」
可憐、
「はいはい。恐れいります~~。」
淹れなおしたお茶を留美子のお茶碗に。
「それにしてもカヨ。凄い、説得力。」
目を見開いて、唇を尖らせて留美子。
それに同感の可憐、にっこりと、
「我が娘ながら…。」
「当然、龍さん…、この話…。」
「反対出来る訳…、ないじゃん。5対1になっちゃうでしょ。」
「そりゃ、そうか…。かかかか。」
可南子、いきなりベッドから跳び起きて、
「うそ!!!」
可羊子、
「うんうん。OK。」
「や~~り~~!!!」
龍平、ご飯を食べながら、
「はぁ…???可南子が…バンド…???」
可憐、
「うん。反対したら、龍ちゃん、敵になる。」
「えっ…???はっ…???なんで…???」