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姉妹坂  作者: THMISmama
124/158

姉妹坂 vol.124 「恋…多し、高校生。私ゃ好きだよ。」

可南子、可羊子、玄関に入って、

「ただいま~~。」

そして台所に。


「ふん、おかえり~。」

台所のテーブルで留美子とお茶を飲んでいる可燐。

「友達と一緒だったんでしょ。」


可南子、可羊子、

「うん。」


留美子、

「お姉ぇも、カヨも…、友達、いっぱい出来たみたいだね~~。」

同じようにお茶を飲みながら…。


可南子、可羊子、

「へっ…???」

目をパチクリさせて…。


可羊子、

「留美子おばちゃん。なんで…???」

可南子と顔を見合わせながら…。


「かかか。駅前でママ友と一緒に見たんだよ。声、掛けたかったけど、あんなに大勢いたんじゃ、声…掛けづらくってね~~。」


可羊子、

「あ~~、は~~。ははは。確かに…。」


「そんなにいっぱい…???留美ちゃん…???」

可憐。


「ふん。ざっと見ても、10人以上は…、いたんじゃ。」


可燐、

「え゛~~~!!!そんなに…???」


「ふふん。…くく。もしかして…、お姉ぇも、カヨも…。なんだか…好きな人、出来たりして…。くくくく。」

にたりと留美子。

「男子もいたようだけど…。」


その声に可南子、可羊子、

「えっ!!!」


そんなふたりを真一文字の口に顔を傾げながらの可燐。


可南子、可羊子、思わず両手を前に、

「いやいやいやいやいやいや。」


留美子、

「かかかかか。冗談だよ。」


「あんたたち~~。」

可燐。


「まっ。でも…。いいじゃないのぉ~。好きな男子のひとりくらい。…でも、友達の中には、もう…好きな彼氏や彼女、いるって人、いるでしょ~。」


そんな留美子の声に、一瞬、目をパチクリと、キョロキョロとさせながらのふたり。


可憐、

「へっ…???いるの…???」


留美子、

「かかかか。図星だこりゃ。」


可南子、

「おばちゃん。もぅ~~。」


「ん~~~。かかかか。…でも、この際、言っとくけど、私はお姉ぇとカヨの、味方だからね。いっぱい。恋、しちゃいな。恋…多し、高校生。私ゃ好きだよ。」


「ちょっと、ちょっと、留美ちゃ~ん。」

留美子の前に手を差し出して可憐。


「幾ら、姉貴と龍さん、反対しても、私ゃ、あんたたちふたりの味方。頑張りな。」


「…ったく~~。」

唇を絞らせて可憐。

「…とは言え、名門校出の留美ちゃん…、私も…、逆らえないけど…。」



いつからか、可憐の事を、「ねえさん」と。

そして今では、「姉貴」と言ってくれる留美子に、嬉しくもあり、微笑みながら。



そんな留美子の顔を見て可南子と可羊子、

「へへ…ふふ…。うん。ありがと。」


「ところで、あんなに大勢で…、どこ行ってたの…???」


その留美子の声に、可南子と可羊子、いきなり目をパチクリと…。


可羊子、頭の中で、

「…うわっ。どストライクできた~~。」


可南子、いきなり口をすぼめて…。


可憐、

「…ん…???どしたの…???」





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