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姉妹坂  作者: THMISmama
123/159

姉妹坂 vol.123 何かしら、覚悟を決めたような面持ちで…。

左近、そんな可南子と、学生たちを見て、

「…ん…???…どうしたの…???」


航も、

「……。」


左近、

「航…???」


その瞬間、可南子、

「はい。」

何かしら、覚悟を決めたような面持ちで…。

左近に、

「お願いします。ありがとうございます。」

お辞儀をして…。

そして航の顔を見て、ニッコリと。

「うん。」


航、

「せ・ん・ぱい…。」


彩萌、憲央、

「可南子…。」


可羊子、

「お姉ぇ…。」



左近、信一にカードを渡して、

「ありがとう。」





マンションを出て歩きながら憲央、

「しっかし、ビックリしたよな~~。いきなり…。」

何故か、そこで言葉が詰まる。


「な~~にが、ビックリしたよな~~。だよ~~。ず~~っと鼻の下、伸ばしていたくせに~~。」

そう言いながら、憲央のお尻をバッグで叩き付けて彩萌の左腕に、

自分の右腕を絡める史江。


憲央、

「あたっ。」


「ぷっ。くくくく…。」

可笑しがる佐智子、鈴鹿、レミ。


思わず、

「せんぱ~~い。かかかか。」

笑う可羊子。


「でも…。あの人、凄いわ。あの…声…。」

茉優の隣りで歩きながら紗枝。


「IT企業…勤務かぁ~~。羨ましい~~。憧れの職種だよね~~。私には…、まず、無理だわ。着いていけない…。」

遠くを見るような目から、いきなり地面を見つめるように…、茉優。


「…って…、何で、ひとりで黄昏れて、自己憐憫…なっちゃうかな~~。この子は~~。」

思わず変顔の紗枝。


「かかかか。茉優、おっかしい~~。」

弓香。

「…けど…。」

可羊子と一緒に歩いている可南子を見て…。

「可南子…。」


「うん。」

そんな弓香の傍で史江に左腕を占領されての彩萌、

「可南子…。おとうさん、おかあさん…。」


その彩萌の声に可南子、

「うん。」


可羊子、

「お姉ぇ…。」


マンションから出てきて以来、口を開いていない可南子。

真っ直ぐと前を見つめて。


憲央、

「可南子…。」

そして、いきなり信一の両肩をバーンと両手で叩いて。


信一、

「痛~~って!!!」


「大丈夫だ、可南子。」

大きな声で憲央。


可南子、後ろを振り向いて、

「へっ…???」


可羊子も、振り向いて、

「へっ…???定岡先輩…???」


可南子、

「憲央君…???」


史江、

「ん~~???」

にっこりと…。


「もし、おとうさんと、おかあさんに、反対されても、俺たちからも、お願いしてみるから。なっ、彩萌、史。」

そして園加と愛寿美を見て。

「弓香、摩耶。菜穂子。」


そして、それぞれが、

「うん。だね。」


「なんてったって、かっけ~よ、あのバンド。もしかしたら…。プロになるんじゃね。なぁ~~。」

信一。

「ビデオ、見せて、納得してもらお。」


「あはっ。松森先輩。」

可羊子。


「おほっ。や~るね~。信一~~。グ~~ッ。」

親指を縦に、史江。





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