姉妹坂 vol.122 「久~し振りに、ライズ…見たな~~。うん。」紗枝。
ツーコーラス終了して、綺麗なメロディのエレキギターの間奏。
「なんともシットリとした歌だよね~~。」
彩萌。
「カヨッチ。やっぱ、あんたのお姉ぇ…。凄いよ。初めてで、もの凄い存在感じゃん。」
史江、可羊子の肩を抱いて。
可羊子、
「うん。…お姉ぇ。」
憲央、
「それにしても、良い声…。俺たちより…、ずっと上の人でしょ。」
そんな憲央の右二の腕をガッチリと抓る彩萌。左の脛を爪先で蹴る史江。
その途端、憲央…、
「い~~~。」
それを見て佐智子、鈴鹿、可羊子、
「ぷっ。」
静かに、そしてお腹を抱え、口を押えて笑う。
彩萌、
「ばか。」
史江、
「…ったく~~。どう見たって、私たちより、2つくらいしか…変わんないでしょ。」
「久~し振りに、ライズ…見たな~~。うん。」
紗枝。
サビのリピート。そして高音の声…。それにシンバルが加わり。演奏終了。
一同、
「凄い、凄い。」
拍手喝采。
美和、彩萌たちにお辞儀をして、後ろを振り返ってお辞儀をして。
航に握手。
その瞬間、航、ドキン。そして左近と握手、ドラムの和樹と握手。
和樹、
「ども~~。さすが…ナイス。うんうん。」
「筧さん…歌…上手~~。」
彩萌、史江。
「正しく。これで、まだ二十歳だからね~~。」
左近。
彩萌、史江、
「うっそ!!!」
そして可南子、目をパチクリ、
「二十歳…。」
憲央、
「え゛~~~~!!!」
可羊子、またそんな憲央の顔を見て、
「かかかかか。」
紗枝、
「声…。大っ人~~。」
「今年の春に。二十歳になったばかり…。」
美和。
園加、
「どう見たって、完璧に、大人…。さすが、彩萌。見る目、違う。」
「あっ。でも…紗枝や茉優、観てたら、それほどでも…。」
愛寿美。
左近、
「矢島さん…。大したもんだ。キーボード、コツ…掴んだんじゃない…???」
そんな左近の声に、可南子、
「うん。家にあるのが…エレクトーンだから…。」
「な~るほど~。うんうん。…それにしても、さすが、筧さん。璃子の声に似ている。うん。」
美和、
「ありがとうございます。」
信一、
「録画、バッチリで~~す。」
左近、
「はは。ありがとう。璃子にも…見せられる。」
「はい。」
美和、まだキーボードに入る可南子に、
「矢島さん…。よろしく…お願いします。」
握手を求めて。
可南子、
「こ…、こちらこそ…。」
そして美和と握手をした瞬間、可南子、頭の中で、
「えっ…???」
そのまま航の方を。
航、何かしら唇を絞った感じで…。
「先輩…。ありがとうございます。」
「良かったなぁ~、航~。矢島さん…ライズ…入ってくれて…。」
その瞬間、可南子、
「あっ。」
そして彩萌、憲央、可羊子も、
「あっ。」
そしてその他の面々も、
「あっ。あ~~…。」