姉妹坂 vol.012 「うんうん。何だか、分かる気がする。」
「その…。10位以内に入賞したのが~~。」
園加。
「へっへ~~。我らがプリンセス彩萌~。堂々の2位~。そして、もう一人が、彼、定岡憲央。6位なり~~。」
可南子、
「すげぇ~~~。」
そして、
「そう…言えば…、竹脇先生…、もの凄い、姿勢…正しい~~。しかも、何とも凛としている~~。」
「くくく。だか~ら、教師の中でも、泉川学院高校の美人四天王のひとりだよ~~。凄いよ、弓道している時の栞奈先生。スマホで写真撮る生徒が何人もいるくらいだから…。かかかか。」
そんな園加の声に可南子、
「し…、四天王…???…でも…。うんうん。何だか、分かる気がする。」
話しながら教室を出て行く栞奈と彩萌を目で追いながら。
「そんな事が起きてから、やはり弓道部、注目され始めて、今じゃ野球とバスケ、剣道に並んで人気部活になっちゃった~~。」
愛寿美。
「まっ、1年の頃から彩萌が男子からモテた。…って~事も、あるし…。さすがに1メートル80の身長は、高校生としては、女の子にはモテる要因になっちゃうよね~~。定岡、去年のバレンタインなんて1年の女子からも廊下でチョコもらってたもん。凄かったよ。」
園加。
「年下には、意外とモテるの…かも。」
「…とかなんとか言いながら~~。園加は良いよ。ちゃ~んと彼氏、いるんだもん。」
愛寿美。
そんな愛寿美の声に可南子、
「えっ???うそ!!!園加!!!」
目を真ん丸くする可南子。
愛寿美に、
「あ~~ん、もう~~。アズのおしゃべり~~。」
ぶすっとしながら園加。…けれども、すぐさま表情を変え、今度は舌をペロリ。
「…と、言いながらも、アズにもしっかりと、い~~るもんね~~。」
ニッコリと園加。
可南子、
「うそ!!!…なに。じゃあ、ふたり共、しっかりと…。」
「こんにゃろ。ばらすな園加~~。」
園加の目の前で、思いっ切り眉間に皺を寄せてプク顔になる愛寿美。
「かかかか。変な顔~アズ~~。」
ケラケラと笑う園加。
「彼氏…いたんだ~~。」
びっくり顔の口を手で塞ぎながら。
「ねねねね、園加、アズ~~。」
「さ~てと、私らはこれから部活行くけど、矢島~、どうする~~???」
園加。
思わずぶっきらぼうな、園加のその声に可南子、
「もう…。誤魔化して。」
少し、膨れっ面の顔をして…。
けれども…何気に、さっきまで教壇にいた栞奈と彩萌、
そして憲央のいた場所に顔を向けながら…。
「うん。…私は今日はこのまま帰るわ。部活もいろいろ考えたいし。」
「おんや~~。弓道部に興味ありそうな……。」
腕組みをして、ニタリと笑いながら、愛寿美。
「ないないないない。それはない。ただ、可羊子が、岡山の高校での部活が弓道だったんだ。」
その声に園加、
「わお。」
愛寿美、
「なんと。あの可羊子が…???」
そして、
「そんな風には見えな…い、けど…。」