姉妹坂 vol.173 ドラムの和樹が、「ども~~。」
一室のドアの前。そしてドアが開く。
「いらっしゃいませ。ささ。どうぞ、どうぞ、中に。」
可南子たちを部屋に招き入れたのが左近。
可南子たち、それぞれが、
「こんにちは~。お邪魔しま~す。」
そして入った途端に、可南子、可羊子、
「わっ、凄い!!!」
そして彩萌に史江、紗枝に茉優、
「わ~お。」
憲央、信一、敦司、
「凄ぇ~~。」
弓香、摩耶、菜穂子、
「こんな風になってるんだ~~。」
園加に愛寿美、
「かっこいい~~。」
佐智子、鈴鹿、レミ、
「凄い、本格的~~。」
いきなりタムとシンバルを軽く叩いてのドラムソロ。
敦司、
「カッケ~~。」
そして叩き終って、
「こんちわ。ようこそ。ライズへ。」
そしてまた叩き始めて、今度は航に合図。
その合図でエレキギターの音。
佐智子、鈴鹿、
「凄っ!!!」
僅か1分程度の演奏。ドラムの和樹が、
「ども~~。」
そして壁際から左近、
「こんにちは。ライズの富田左近と言います。初めまして。そして…。あっ、僕はベース、そしてボーカル担当してます。それから…。」
ドラムに顔を向けて。
「こんちわ。横峯和樹、ご覧のとおり、ドラム…やってま~~す。…そして…。」
航の顔に、顎をクィクィと。
そんな和樹を見て航、
「えっ???えっ???」
そして自分に指差して。
和樹、可笑しく頷いて。
その仕草に可南子たち、クスクスと…。
史江、
「かかかかか。」
佐智子、鈴鹿、
「お~~い。」
可羊子、レミ、
「ぷぷぷぷ。」
弓香、彩萌、
「頑張れ~~。」
憲央、笑顔で…。
航、
「い…いや…。その…。なんで…???俺も…???」
腕組みをしながら首を縦に左近。
「ギター…担当…してます。海野…航…です。」
間髪入れずに、
「そんな訳で、俺たち3人。」
ドラムの和樹、両手で聞こえない拍手を航に、
「…って、おい、左近。そりゃねぇだろ。折角航が挨拶してんのに。」
航に向けた顔をそのまま左近に向けて。
その途端、彩萌たちが爆笑。
左近、
「あっ、ごめん、ごめん。…航…、他に何か…???」
そんな左近に右手を振る航。
「ある訳、ねぇだろ。皆の前で…。なぁ~航~~。」
和樹、そしてまたタムを…。
「恥ずかしくって~~。」
史江、
「かかかか。おもしろ~い。」
弓香、
「うんうん。」
「…と、ウチの横峯が…、申しております。」
いきなり手を叩いて可笑しがる紗枝、
「かかかか。良い、良い。」
「そして、もう一人。ライズには。紅一点の…女性がおりまして…。」
左近のその一言で、可南子たち、いきなり沈黙。
「いやいやいやいや。そんなに…静かにならないで。」
スピーカーの上に飾ってある写真を手に取り左近。
可南子に。
「あなたが…、矢島…さん。この女性。です。」
可南子、可羊子、彩萌、弓香、写真を見て、
「この…人…。」
「横内璃子と言います。ライズのリーダー。」
「なんか…。凄い…貫禄…ある。」
彩萌。
「うんうん。」
紗枝、そして史江。