姉妹坂 vol.011 「その弓道の顧問って…、誰だと思う…???」
そのレミの声に可羊子、
「へぇ~~。」
と、顔を上下に…。
そんな可羊子に鈴鹿、
「カヨッチ。まさか…。競争率、かなりだよ~~。ニッシッシッ。」
その声にいきなり可羊子、両手の平を前にひらひらと、
「ないないないないないない。名前も知らないのに。」
「じゃ~~。名前、知ったら~~???」
けらけらと笑いながら佐智子。
怒ったように可羊子、
「もう~~。サッチン!!!」
「海野航。部活は野球。しかも1年でレギュラー。4番で、ポジションはピッチャー。頭脳は…???はて…???」
淡々と話す鈴鹿。
放課後、担任の栞奈、彩萌に、
「彩萌さん、ちょっと良いかな~???」
彩萌、
「あっ、はい。」
そんな彩萌が男子生徒に向いて、
「あぁ~。憲~、先に部室、行っててくれる~。」
男子生徒、
「おぅ。分かった。」
「インターハイ向けて、ガ~ンバっ、てやつだね~憲~。さて。俺も部活…行こ。」
男子生徒の肩をポンポンと叩いての別の男子生徒。
「彩萌はね~~。空手家の家で育って、本人も空手は出来る。でも、ここって、空手部はあるけど、全員男子なんだよ。」
可南子の後ろで園加。
可南子、
「ふ~~ん。」
「…で、結局納まった先が…。彩萌の部活は…弓道。」
「へぇ~~。弓道…か…。…って…、わわ。おっきい~~。」
今さっき、彩萌から声を掛けられた男子生徒が椅子から立ち上がった姿を見て可南子。
「ははは。そっか~~。憲が立ったとこ、まだ見てなかったか~~。結構、目立つんだけどね~~。」
愛寿美。
「定岡憲央身長、180。」
可南子、
「でか。」
「彩萌同様に、部活は弓道。」
園加。
可南子、口を尖らせて、
「へぇ~~。」
「しか~も…。くく。その弓道の顧問って…、誰だと思う…???」
「誰誰誰々…???」
「今、彩萌と話している人~~。」
「かかかかか。」
愛寿美。
可南子、
「へっ…???じゃ、じゃ。竹脇…先生~???」
「うん。ビンゴ。」
園加。
「栞奈先生。実は、私たちここに入学した時、一緒の新任だったんだって。」
「栞奈先生。元々旧家の生まれ。その影響でか、もの凄いよ、茶道に華道。」
愛寿美。
「…とは言え、茶道も華道もひとつの部活なんだよ、ここって。」
「しかも、しっかりと何年も続いている顧問がいる。」
園加。
「そんな時に、何ともナイスタイミングで、弓道部の顧問が…。」
「どっかの高校に転任になっちゃった~~。」
愛寿美。
可南子、
「うんうん。」
「その後…、弓道部…、どうなったと思う…???」
「…ん…???」
「栞奈先生着任して、6月だったかな~。男女共に、10位内に入賞。」
園加、にっこりしながら。
可南子、いきなり、
「うそ―――――――っ!!!!」