姉妹坂 vol.105 「誰の血筋かね~~。かかかか。」
玄関で可羊子、
「ただいま~~。」
その途端に、「キャ~~。」と言いながらドタドタと廊下を駆けて、
玄関の可羊子にいきなりダイブの恵美。
「カヨ姉ちゃ~~ん。ハハ。」
可羊子、
「お~~~。はははは。恵美ちゃん、ただいま~~。」
恵美を抱き締めながら頭を撫でて可羊子。
その後に駆けてくる雄喜。
「雄喜君も、ただいま~~。」
可羊子、恵美の両肩を支えながら、
「イッチ、ニィ。イッチ、ニィ。」
リビングにいる可織、留美子に、
「ただいま~~。」
台所の可憐、
「あぁ~~、カヨ~。帰った~~。おかえり~。」
留美子、
「期末考査、頑張ったんじゃないかい…。」
「ん~~。まっ、あんなもんでしょ。やれる事は…やった。へへ。」
ニッコリとしながら可羊子。
「~~ったく、余裕綽々だよね~~。」
留美子。
「でも…、大したもんだよ。岡山でも、学年で上位だったんでしょ~ふたり共~~。お姉ぇなんて、学年で10位以内ってんだから、凄いもんだよ。しかも…偏差値めちゃくちゃ高い学校でしょう~~。誰の血筋かね~~。かかかか。」
「良く言うよ、留美ちゃん。あんただって、名門大学出だってのに…。」
確かに留美子は都内では難関大学で知られる慶明大学出身である。
そんな可織に留美子、
「それを言われると…、弱いんだけど…。」
可織に変顔でチロリと舌を出して。
「何々~~。誰の血筋かって~~。」
外から麦わら帽で、首に巻いたタオルで汗を拭いながらの燐太郎。
「わお。おじいちゃん…聞こえてた…???」
燐太郎にも舌をチラリと留美子。
「カヨも、お姉ぇも、秀才だよって。ねっ、おばあちゃん。」
可織と燐太郎の顔を交互に見て留美子。
「まぁ~~。そりゃ~~。かあさんの…血筋…かねぇ~~。なぁ~、かあさん。」
可織に顔をクィッと向けて。
「さぁ~~。そりゃどっちでしょうか~。大手不動産会社、取締役を経て、定年退職した人の、言葉ですかね~~。私は、そんな人に…黙って着いて来ただけですけど~~。」
下唇をクィッと出しての可織。
留美子、
「かかかかか。」
「はいはい。恵美~~。雄喜~~。ジュースだよ~~。」
可憐。
「さてと。私は…着替えてこよ~~っと。」
部屋で着替えながらの可羊子のスマホにライン。
鈴鹿、
「ライズのリハ。行くとき教えて。私らもカヨッチのお姉さん、応援したいからさ。サッチンも、そう言ってた。」
可羊子、
「OK。ありがと。お姉ぇにも伝えとく~~。…っと。」
そしてリビングで恵美と雄喜と一緒に遊びながらの…。
玄関から、
「ただいま~~。」
可南子。
「あっ、お姉ぇ、帰ってきた。」
可羊子。
その声の途端にまた玄関にまっしぐらの恵美、
「キャ~~~。」
そしてまた可南子にダイブ。
可南子、
「お~~っとっとっと~。かかかか。」