真実でなくても、虚構ではない世界
「…ああ、ここの値がtrueじゃない…なるほど。早期発見できてよかったです。やはり定期メンテナンスは欠かせませんね。」
「…ふう。時間も時間ですしご飯にしますかね。…ん?なんか鳴ってる…この音は警報器機くんの音ですね…とりあえず情報収集を…」
『…へ?』
【速報】『南極制圧、犯人は神と名乗る少女』
「…は?」
「…は??」
「…スマホまでメンテナンスしないといけないんですか?ホログラムスマホくん、結構自信作だったんですけど…」
「いや警報器機くんも鳴ってましたね…え?いやいや…北極が人の子に制圧されるわけ…とりあえずテレビでも見ながらご飯にしますか…うん。そうですよねそんなわけないですもんね。」
『速報です。先ほど、南極大陸が制圧されたとの情報が入ってきました。』
「…はああああああ!?」
「ああもう人類はなんて愚か!ネットニュースがダメならテレビもダメか!そんなことはありえないんです!そもそも南極というのはどの国も領有してはならないと決まっているのですから!」
『どうやら今日未明頃、南極大陸南部スコット基地に謎の人影を発見したとして本国に通報があり、一時的に研究員が本国へ帰国。明け方には人影は見えなくなっていたが、警戒しながら監視を続けていたところ、再び大量に数を増やして現れると、急速に接近し、そして瞬く間に制圧してしまったとのことです。幸い人的被害は発生しませんでしたが、南極大陸は制圧状態となっており、現在各国政府は対応に追われる形となっています。』
「…嘘だ。嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!僕は信じません!そんなわけが…そんなわけがないのだから!この目で見るまでは信じませんよ!なんなら今から見に行ってやります!」
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「…あれ?」
おかしいですね…中に人がいないどころか、いた痕跡すら残されていない。完全に廃墟ですよ。気温すら測定できないんじゃないですか?…こんな基地じゃないはずなんですが。ここって結構重要基地でしたよね?なんでこんな…まあ…なんでって言っても思い当たる原因一つしかないですけど…
「…外もボロボロですよ。まるでゴミ捨て場かのように乱雑に積まれた機器の残骸…僕もこれがなんなのか分かりませんが、自然に起こることとしては不自然。どうみても人の介入が……ってことは…」
『本当に南極は人の手に…いやそんな…でも…』
「…あれ?あなた一人ですか。随分珍しいですね。一人では研究所からも出られないのかと思ってましたよ。」
「聞き覚えのある声…ってことは…いや…」
「どうしたんですか?見ての通りここには何もない。凍え死ぬ前に帰ったほうが身のためですよ。」
「…だとしたら…」
「…研究者の性でしょうか。無駄な思考を続けているようですが…」
『あなたにとっては残念でしょう。あなたが意図的に思考を外すその可能性こそが、たった一つの正解なのだから。』
「…」
「どうしました?何か説明に不足でもーー
「違う。」
「…ほう。」
「説明に不足はない。事実がそうだとしたら。ただ…
これではあまりにも過程が不足している。」
「…と言いますと?」
「起こっている出来事に対して、明らかにされている情報が少な過ぎる。それこそ、人の手でやったにしては不自然なほどに。…今から俺が出す質問全てに正直に答えろ。そうしないと言うなら…
点検済みの相棒が黙ってない。お前のその舐め腐った態度ごと浄化する。」
「…はあ?…随分急ですね。まあ別にいいですけど。やれるもんならやってみろ…と言ってもいいですが、別に隠すようなことでもないですしね。私は正直に答える。約束しましょう。」
「…本当だろうな?」
「ええ。ここであなたを欺く必要は特にないですし。」
「なら、最初の質問だ。」
『この騒動にお前は主犯格として関与している。』
「もっとも、間違いなくyesだろ?」
「ええ。私が無関係ならここにいる必要はないですからね。」
「だとすれば、
『これはお前の単独行動か?』
そうであれば話が早い。」
「…いいえ。私一人ではない。あいにく私は暴れすぎたようで、メディアに目を付けられてるようですから。一人であればもっと大事になっていたでしょう。」
「そう。事の重大さの割には目立っていない。だからこそ少数精鋭での行動ではあると思うのだが…わかった。じゃあこうしよう。」
『お前は今回の騒動の首謀者か?』
「…なるほど。これの答えは『いいえ』。私はあくまで従者だ。」
「…ほう。…であればだ。」
『首謀者は…お前にとって神に値するか?』
「…ふふっ…
『今更何を言っている?そうに決まっているだろう。私は神の僕としてこの世界に存在する。当然今回の騒動の首謀者もあの方。まだ気づいていなかったのか?』
「…はあ。」
「ということは…
『今回の騒動はお前とそいつの二人で起こした。』
だろ?」
「…その通り。天才と謳われるあなたでもここまで時間がかかりますか。やはり人類なんてその程度の存在なのですね。」
「時間をかけることが言うほど悪か?時間をかけて確実に行動することも重要だ。お前はまだ全てを瞬時に導く頭脳派のみが正義だと思っている。なんて浅ましいことだ。」
「かけた時間は戻ってはこない。あなたは無駄な思考をし、無駄な時間を過ごした。ここまで単純な結末にこうも気づかなかったのだから。」
「…まあ結末は単純だ。事が広がる前に、大事になる前に全てを終わらせてしまえばいい。俺が来るより何時間も前から、既に制圧は済んでいたんだろ?」
「ええ。私とあの方なら30分もあれば余裕です。」
「…なら、
『これ以上人類に介入しない方がいい。少なくとも俺はこの瞬間お前らを敵として認識した。』
人類がお前らを敵と認識すれば、お前らの野望は果たされなくなる。それが嫌なら、他の惑星にでも行け。」
「…ほう。あくまで優位に立とうとするか…はあ。残念だが、我々は最初から対等な関係を作る気などない。そこにあるのは『隷従』による『支配』。敵がいくら増えようが、関係ない。人類なんて神から見れば粉雪にも等しいのだから。」
「人類を皆殺しにする事が狙いなわけではないのだろう?真の目的はそこではない。お前らは人類を恐怖によって支配しようとしている。だろ?そして、お前らが圧倒的な力を持つとすれば…本当に服従を決める者も現れるかもしれない。だが、これだけは言っておく。少なくとも俺たちはいつまでも屈しない。お前らがどれだけ完璧に帝国を築き上げても、俺たちが滅ぼしてやる。」
「…話が飛躍しすぎだ。仮定のない論文に価値はない…お前も先ほど説いていたはずなのにもう忘れたか?」
「誤った結論を正すのに過程は必要ない。誤っているという根拠さえあれば。」
「…はあ。そちらの目標はまだ果たされないのか?せっかく尋問を受けてやったというのに。」
「…別に、帰らせたいなら素直に言えばいい。いつでも簡単に帰れるのだから。」
「…」
「…じゃあな。お前と面と向かって話すのがこれで最後だと祈るよ。」
(おっかしいな〜。警戒すべきはあの二人だけであいつはそこまでだと思ってたんですが…まだまだ私たちも調査不足という事ですか。…なぜ勘付かれたか?考える価値はありそうです。)
(…なんか久しぶりに心から男になれた気がしますね。いやまあ、最初から心も中身も男なんですけど。…おっと。男女差別的な発言と捉えられてもおかしくない…では撤回して…
…あいつは2回目くらいですかね?とりあえず首謀者と会わないと…にしても、自らを僕と名乗り、神を信じるものがいる。であれば新たな僕を作りに来ていると推測するのは簡単な気がしますが…案外愚かなものですね。まあいいです。疲れたしさっさとご飯にしましょ…あ。もっかいあっためなきゃ…)
謎解き
な と
謎謎謎謎謎謎謎謎謎ttttttt I o oo toto kkkkkkk
error 404 Not found 不明なエラーです。
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解析、、、、不能。
未知なる既知へノカイコウニオキヲツケクダサイ…
…少しの被害は出てしまったが…この程度で済んだのなら幸運だ。




