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これってめちゃくちゃふりーだむ!  作者: さしもの
あらぬ存在との接触
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誰にもできない、私のみかた

皆様、初めまして…いや、初めましてではないようですね。では名乗る必要もありませんね。いえ、特段気にする必要もございません。これは皆様で言うところの『ブログ』のようなものに過ぎませんので。

さて、本題に移りましょう。私は最近気にかけている人の子がいるんです。少しばかり才能に惚れ込んでしまいまして。ストーキング、と言うと少々人聞きが悪いですが、残念なことにそれ以上に適切な表現が思いつきません。非人道的な行為だとは思います。でもいいんです。私は人間ではありませんので。人道なんてものには当てはまりません。っと、話が逸れましたね。では、私の観察日記、どうぞお楽しみください。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

経過観察:一日目

まだ私は力を得ていない。今の私は雪のように脆く頼りない存在にすぎない。だからまず情報収集をすることにした。大丈夫。私には無限の時間がある。奴らにもまだ時間はある。じっくりと行けばいいのだ。

青緑の目。もう完璧に覚えた。私の僕として優秀か…と言われると疑問符がつくが、仕方ない。勢力争いのためと考えれば悪い結果ではないはず。それに、奴を逃さないことが目的達成への秘訣なのだから。

経過観察:二日目

今日から本格的な観測を開始する。もはや神の力は残されていないが、私自身の。存在としての私自身の力は残っている。存在感を消し、身を屈め、擬態し、確実に情報を得る。音さえ聞こえれば良い。耳に力を集中させる。そうすれば他の部位の力は必要ない。そこを魔力に回すだけだ。

今日の情報

奴には弟がいるようだ。もしかしたら何か活きるときが来る…かもしれない。まあ私の障壁になることはないだろう。とはいえ、彼を消すわけにはいかない。奴は純情な女だ。下手を打てば自信を損失しかねない。奴は思ったより繊細なようだ。普段見せている笑顔も偽りのものに違いない。だからこそ私は奴を手に入れたい。他者のために自己を消せる存在だ。戦力というよりはムードメーカーとしてになるが…まあ牽制にはなるだろう。

三日目

私には探している人がいる。斑にそのことを伝えたら、情報を持って帰ってきた。彼女は本当に頼りになる。思えば申し訳ないことをした。普通の人間だった彼女を神の境地に引き上げたとき、私は自らの善行に自惚れたものだ。彼女も最初は慣れない様子だったが、私は無視して突っ切って行った。…よく付いて来れたなと思う。だからこそ彼女は頼りになる。全てが零の状態からここまで成り上がったんだ。奴らを僕にしたところで、私にとっての序列が変わることはない。彼女の努力は私が一番知っているつもりだ。あの環境で自分の生き方を見つけたのだから。…っと、彼女について書きすぎても仕方がない。情報を書かなければ。

今日の情報

あいつらは同じ研究所に集まる。茶色い奴はここに住んでいるらしい。同じ場所に機械は密集している。そこさえ崩せば相当業務は止まるそう。それで三人集められるなら好都合だ。…まだ集まらない。私が真に求めているのは『あいつ』だけなんだが…昔からあいつはそういうところがあった。自らを強者とわかっているからこそ、素性を明かそうとしない。弱者と関わらず、見下すスタイルだった。…あいつだけは逃してはいけない。

四日目

情報収集は明日で終わらせることにした。この数日間は、力不足を実感した期間だった。まずは力を…『信仰』を集めなければ…にしてもやはり実力がある者を僕にするにはそれ相応の努力を要求される。決して楽な仕事ではない。神になる前のことは忘れてしまったが、私はここまで苦労した記憶はない。…こんな弱音を吐く姿は、決して僕共には見せられない。ここにある主従関係は、決して生優しいものではない。絶対的な力を持つ『神』と、それに付き従う『僕』という、覆し得ることのない隷従。私は数多の僕の前でそれに足る器を見せなければならない。常に余裕で、情に厚く、堂々とした姿を。人間だった頃はきっと…そんなことを意識したことはなかっただろう。…いや。もう何万年も前の話だ。この世界とも関係がない。こんなことを書き連ねても…何も起こらないのだから。私が舞台を整えている間、斑がまた情報を得たと。…彼女が居て良かった。居なければ今頃、私は神を辞めていた。これは推量ではない。紛れもない事実だ。彼女の前では少し正直になれる気がする。…彼女のことについて書いていたら、いつまで経っても終わらない。成果を書き記す。

今日の情報

あいつには姉がいるらしい。…これも運命というものなのだろうか?神にすら操れない概念の世界。その舞台にすら立っているというのなら…いや。単なる偶然だろう。そんなことはあってはならない。私を超越するなど、あってはならない…はあ。あいつでなければ、単なる偶然と纏めた所なのだが…どうしてもどこか身震いする。あいつは『化け物』だ。比喩表現などではない。超常的な現象を操っていたとしても私は驚かないだろう。…あいつがここに存在するのがそもそもおかしいのだから。もはや情報収集ではカバーできないだろう。本人を問いたださなければな…はあ。人間だった頃よりも、今までの神としての日々よりも、遥かに苦労している。…私に理解できないことなど、なかったのだから。

五日目

情報収集は今日で終わり。今日は勢力圏を調べることにした。ここにいる生命体がどこに生殖するか、私達は徹底的に調べた。…正直疲れた。理由は簡単、人員不足だ。私の僕は皆異次元での勢力維持に奔走している。彼らを呼び出すことは出来ない。支配には仲介人が必要だ。『信仰』を失うわけにはいかない。この次元には私と斑の二人しかいない。いつもそうだ。知らない次元には二人で向かい、制圧後彼らを配属する。現地調達された僕を。才能無き者を仲介人として僕にするのだ。簡単な話だ。自我を持たぬ能無しなど、一瞬で私の力に溺れる。いずれ私を崇拝するようになる。そうすればもはや…ただの駒にすぎない。こんな視点でモノを語る…人だった私が見たらどうなるのだろう。数万年前の別世界…いつか行ってみたいものだ。っと、すぐ関係のない話を書いてしまう…本題に戻そう。…陰鬱な本題だ。奴らも簡単であれば…あいつには才能がある。私の力を容易く使いこなしている。常に自らを信じ、神に感謝することはなかった。そういえば…我が友もそんな事を言っていたな。自らの力を容易く操るものは、簡単には僕にならないと…ん?これは本題ではないな?はあ。通りで脈略の無い話をしていると思ったわけだ。本当の本題は…そうだ、情報収集だ。私と彼女の二人で歴史書や地理書を読み漁った成果をここに書き記す。

今日の情報

どうやら、『南極大陸』という場所をこの生命体は制圧していないそうだ。凍りついた世界。我々には適切だろう。ここに根拠地を置く。多少の生命体の確認はされたが…まあ、一瞬で大陸の仲間入りだ。多少なりとも話題にはなってしまうが…幾ら話題になろうと、所詮有象無象の生命体。私には敵わない。奴らにも私の存在は気づかれてしまうが、まあ特段気にする話でも無い。こちらから手を打って、少し誘うことができれば…いや、その程度では釣られないか。まあ良い。この好機を逃すわけには。ここがきっと、私達の『理想郷(ユートピア)』だ。

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いかがでしたか?私の日記です。公開する気はなかったのですが…

…あれ?誰に喋りかけていらっしゃるのですか?

…とまあ、彼女にバレてしまったので。どうせならという事です。

いや、特になんでも無いよ。それより、計画を実行しようよ!

それもそうですね。では、それを読むのは後にしましょう。

…本当に読むの?

駄目なんですか?

…できれば読まないで欲しいなって…

分かりました。そこまで仰るなら。

ありがとう!

謎解き

なぜ二ヶ月くらい更新休んだか、理由を答えろ

:東北地方っていいよね

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