美人に献血
夕陽が沈むもうすぐ夜だ、俺達も早く宿を探さないと野宿になっちまう。
偶然宿が見つかった、サキが駄々をこね二部屋借りることになっちまった。宿の主人はこころよく泊めてくれたが一言
「夜には絶対外に出ないでくださいね。」と、
ハーンこれは何かあるなと怪盗の勘が働く。
夜になったこっそりと部屋から出る、サキはのんきに眠っている。
「お、宿の主人じゃん何やってるんだ?」
何故か左腕を窓から出している。
「ウッ!」
一瞬だが主人の顔が苦痛に歪んだ、とその時窓からキラリと赤い光が見えた。
「あれは?!」
吸血鬼の一族がもつと言われる紅の華!
「まさかこんなところでお宝にであえるとは。」
しかし夜は吸血鬼一族の土俵明日までまつとしよう。
でもなんで自分からてをつけましたか!!出すんだ?
「見たねお客さん!」
こええが震えていた。といけね。
「お客さんのご想像どおりここの支配者は吸血鬼で我々はこうやって血を貢ぐことで町の安全を保証していただいてるのです。」
文字通り血税だ。
「大丈夫だご主人その血税払わずに済むようにしてやるよ!」
サキは眠っていた。
吸血鬼は西日の当たらない洞窟にいると主人から聞いたが
「洞窟だらけじゃん!」
「ザック、何カリカリしてるの?」
「あ、サキには昨晩のことを話してなかったな。」
「紅の華!それ欲しい!」
「じゃあこの中から住みかを探してみな。」
「洞窟だらけじゃないの!」俺と同じリアクションするなよサキ。
夜になれば奴等は自由だ出来れば太陽が出ているうちに勝負をつけたい。
「ん?」サキが何かに気がついたようだ。
「どうしたサキ?」
「ザックあそこ!」
太陽の下へろへろと飛んでるコウモリを見つけた。
「ナイスだサキアイツをつけるぞ」
飛んでるものを走って追いかけるにはけっこう疲れるもんがある。コウモリは崖の隙間に消えていった。
急いでその場へ行くと成る程崖に挟まれた洞窟じゃあ太陽の光は入らないわな。
「わくわく紅の華、わくわく」
入り口から真っ暗だ、シュン!足元に何か針のようなものが刺さった!
「わらわの城に侵入するとは人間か!」
「さぁね人間もどきもいるし」
「誰がもどきじゃ誰が!」
「いてて冗談だって。」
「誇り高き鬼族の巫女をつかまえてまったく。」
「ここに盟約は破られたふもとの町の住民の血を吸いつくしてくれるわ!」
「ぐぁ!」手に激痛が走るカミソリで切られたみたいだ!
「ふふふ、地の利はこちらにある負けぬ負けぬぞぉ!」
風を切る音がする
「ジーク!」ジークを洞窟のそとへ放り出した
吸血鬼は油断していたまだここは入り口なのだ!
キラン!ジークの体が日光を反射し洞窟内を照す!
「しまった!」
吸血鬼が照らされる!その額が紅く輝く!
「まさかあれが紅の華!」
その紅の球体は吸血鬼の額に埋め込まれていた。
「喰らえ」ドン!ドン!
銃を二発撃ち込んだが吸血鬼の体が黒くなり弾丸がすり抜けた!
「銃がきかないなんてどうやって。」
ジークが再び中を照す。
「!影が」
影に隙間ができていたのだ!
「サキ何か術はないか!」
「良いのがあるわ、鬼火の術!」
ぼぼっ!ぽっかり二人の穴が空いた。
「やはり群体か!」コウモリの集団が吸血鬼を生み出しているのである。
「おのれ貴様ら!」
吸血鬼がサキに襲いかかる
「く!」ドォン!吸血鬼の額を狙う!
バキィン紅の華が砕け散った
「ギヤァーーー!」
吸血鬼がそう叫ぶと体が崩れはじめ最後にひときわ大きなコウモリが横たわった。
「あああ紅の華が!」
「仕方無いだろああしないとサキが。」
「欠片でも良いのよ、あった!」
「どうするんだそれ?」
「こうするのよ。」ごっくん一飲みにした
するとドンのところで傷つけられたところがみるみるうちに治っていった。
「ごめんねザック一緒にいててもやっぱり私は鬼なの。」
「鬼だろうがなんだろうがサキはサキ俺の仲間だ!」
その夜町の人々はいつもどおり左腕を窓から出していた、蚊に刺されてかゆいだけだった。